研究課題/領域番号 |
19J13926
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
村上 始 早稲田大学, 文学学術院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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キーワード | 眼球運動 / 意思決定 / 消費者行動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,眼球運動軌跡の画像に対して画像処理技法を適用することで得られる,視線パターンの指標が意思決定過程のどのような認知処理を反映しているのかを検討するための理論的な枠組みとなる計量モデルを構築することである。2019年度と2020年度の2年間でモデルの構築及び検証のために実験室実験二回と実地調査一回を行う予定である。また,2019年度は意思決定過程の計量モデルを構築する前段階として,視線のパターンについて,時系列的な変化も含めて,どのようなパターンが認められ,どのような心理状態と対応があるか検討することを予定していた。 2019年度は,2019年度に予定していた実験室実験と2020年度に予定していた実地調査を前倒しで実施可能であったため,実施した。実験室実験の結果をとりまとめ,国内の学会および研究所のシンポジウムと国際学会で発表を行った。具体的な発表内容は,おおまかに二つに分けられる。一つ目はモデル構築の初期段階として,単純な視線パターンの分析と,画像処理技法による視線パターンの指標と心理状態との関係についてであり,二つ目は,視線および心理状態の時系列的な変化についてである。一つ目について,選択課題遂行中の視線パターンの指標と意思決定過程および決定後における心理状態に関する質問紙項目との関係について分析し,どのような指標と心理状態に関係があるかを検討した。二つ目については,二つのアプローチをとった。一つ目のアプローチでは,意思決定の過程で経時的に変化する選択肢への視線とその選択肢に対する好ましさの関係についてモデルを構築した。二つ目のアプローチでは,選択課題におけるどの時点での注視が選択に影響を及ぼすかについてモデルを提案し,検討した。今後はこれらの知見をまとめたモデルの構築を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は,2019年度に予定していた実験室実験と2020年度に予定していた実地調査を前倒しで実施可能であったため,実施した。また,学会発表についても,主に2020年度に行う予定であったが,2019年度に行った。このため,おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
実地調査のデータについては,現在,分析を行っている途中である。また,今後は2019年度に得られた知見をまとめたモデルの構築する予定である。2019年度に行った実験を踏まえた実験室実験も1回予定している。この実験により構築したモデルの修正を行うなど,研究を進めていく予定である。
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