研究課題
本研究課題である「脳卒中後疼痛の発症機序の解明と治療戦略の開発」を目的とし、検討を行っている。痛みを脳部位へと伝達する上行性痛覚伝導路の起始部である脊髄領域と脳卒中後疼痛 (central post-stroke pain: CPSP) 発症との関連に注目し、標的分子として、疼痛に関与する nitric oxide synthetase (NOS) やその調節因子であるN(G),N(G)-dimethylarginine dimethylaminohydrolase 1 (DDAH1) に着目し検討を加えた。その結果、CPSP モデルマウスに認められるアロディニア (正常状態では痛みと感じない刺激を痛みと認識する) に脊髄における NOS の関与が認められ、その調節に DDAH1 が制御している可能性を明らかにした。また、CPSP と下行性疼痛制御系との関連においては、orexin の関与に着目した。CPSP モデルマウスに認められるアロディニアは、orexin-A の脳室内投与によって抑制された。Orexin-A 投与後、下行性疼痛制御系の起始核である青斑核および大縫線核領域でノルアドレナリンおよびセロトニン作動性神経が活性化している可能性を見出した。これらの成果は、国内外の主要学会において随時発表している(学会発表計 9 件、うち国際学会 1 件)。また、この 1 年間で 2 報の国際学術誌に筆頭著者として公表している。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件)
European Journal of Pharmacology
巻: 874 ページ: 173029~173029
10.1016/j.ejphar.2020.173029
Biological and Pharmaceutical Bulletin
巻: 42 ページ: 1569~1574
10.1248/bpb.b19-00371