研究課題
リボソームの翻訳一時停止がタンパク質合成にどのような影響を与えているか解明することを目的として研究を行った。まず、どの遺伝子のどのコドンで翻訳一時停止が生じているか、網羅的に特定するため、複数のリボソームプロファイリング法を組み合わせて、大腸菌遺伝子で生じる翻訳一時停止の特定を試みたところ、125箇所の強固な翻訳一時停止位置を特定することに成功した。また、翻訳停止リボソームに蓄積したペプチジル-tRNAを生化学的に検出するintegrated nascent chain profiling(iNP)から推定される翻訳一時停止位置と今回特定した一時停止部位は強い相関関係にあることがわかった。次に特定した翻訳一時停止群の中のycbZに着目して実験を行った。Asn586でのリボソームの翻訳一時停止を生化学的レポーターアッセイ、tRNAシーケンス(tRNA-Seq)、およびクライオ電子顕微鏡(cryo-EM)によって検証したところ、実際に翻訳一時停止が生じていることが確認された。これらの結果は、大腸菌のリボソーム翻訳一時停止位置情報として有用なリソースを提供したと言える。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plant and Cell Physiology
巻: pcaa180 ページ: -
10.1093/pcp/pcaa180