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2021 年度 実績報告書

内耳蝸牛の流体構造連成解析に着目したバイオミメティック人工内耳の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19J20157
研究機関大阪大学

研究代表者

山崎 嘉己  大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
キーワードバイオミメティクス / 人工聴覚上皮 / MEMS / 内耳蝸牛 / ナノ振動計測 / 微小電圧計測 / 圧電素子 / in vivo試験
研究実績の概要

本研究では,感音性難聴に対する未来医療に関連して,内耳蝸牛の機能を模倣した人工聴覚上皮の開発を目指してきた.蝸牛に備わる機械的および電気的な要素,すなわち基底膜の20-20k Hzにわたる周波数弁別能,外有毛細胞のナノ振動増幅および内有毛細胞の音/神経信号変換に着目し,バイオミメティクスとMicroelectromechanical systemsの融合による超高性能マイクロマシンの創製を進めている.
令和3年度は,動物実験用デバイスの大量安定生産を可能とする作製スキームを確立した.デバイスは,モルモットの蝸牛に埋め込み可能な寸法・構造で設計しており,圧電素子と神経刺激・振動制御を実現する2種類の電極を含むことに特徴がある.一方,圧電素子の材料には,PVDF-TrFEを使用しており,電極と異なる有機系材料であることから再現性のある接着が技術的隘路となり,デバイスの耐久性に改善点があった.そこで,接着層としてチタンを導入することで異種材料の強固な接着に成功し,歩留まりが1割以下から6割以上に改善された.作製したデバイスを加振し,ナノメートルスケールの振動を計測および解析した結果,空気中において157-277 kHzの周波数弁別能があることがわかった.また,共同研究先の大阪大学医学研究科にデバイスの埋め込み試験を依頼し,モルモットの蝸牛に埋め込み可能であることを確認している.モルモットの外耳から音刺激を与えたところ,アーティファクトではない振動が観測され,動物の体内に埋め込んだ場合も明らかに周波数弁別能が保持されることが示された.
さらに,微小針型プローブおよび実体顕微鏡を導入し,ロックインアンプと組み合わせた電圧計測系を構築した.デバイスに対して音圧86.4 dB SPLを入力したところ,最大80.9 μVの出力電圧が計測され,動物実験に向けた基礎データの蓄積に成功している.

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (7件)

  • [学会発表] Lighthillの3次元蝸牛モデルにおける人工聴覚上皮の振動特性評価2022

    • 著者名/発表者名
      池田陸人,山崎嘉己,川野聡恭
    • 学会等名
      日本機械学会関西学生会2021年度学生員卒業研究発表講演会
  • [学会発表] 金電極を内蔵したマイクロ流路におけるナノ粒子の電気検出および識別の高精度化2022

    • 著者名/発表者名
      藤田智大,山本恭平,山崎嘉己,土井謙太郎,川野聡恭
    • 学会等名
      日本機械学会関西学生会2021年度学生員卒業研究発表講演会
  • [学会発表] 外有毛細胞を模倣した制御機構の集積化および可聴音域における人工聴覚上皮の高速振動制御2022

    • 著者名/発表者名
      山根駿,山崎嘉己,川野聡恭
    • 学会等名
      日本機械学会関西学生会2021年度学生員卒業研究発表講演会
  • [学会発表] 人工聴覚上皮を伝わる進行波の流体構造連成解析2021

    • 著者名/発表者名
      山崎嘉己,田中裕也,川野聡恭
    • 学会等名
      日本機械学会2021年度年次大会
  • [学会発表] マイクロガラス電極による局所的流動場の計測2021

    • 著者名/発表者名
      長谷川源,山崎嘉己,土井謙太郎,川野聡恭
    • 学会等名
      日本機械学会2021 年度年次大会
  • [学会発表] 螺旋構造を有する人工聴覚上皮の振動特性評価2021

    • 著者名/発表者名
      山崎嘉己, 河野友太朗, 川野聡恭
    • 学会等名
      日本機械学会第12回マイクロ・ナノ工学シンポジウム
  • [学会発表] 光ピンセットを用いたマイクロおよびナノ粒子の電気検出スイッチング2021

    • 著者名/発表者名
      山本恭平, 山崎嘉己, 土井謙太郎,川野聡恭
    • 学会等名
      日本機械学会第12回マイクロ・ナノ工学シンポジウム

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公開日: 2022-12-28  

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