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2021 年度 実績報告書

柔軟なポリイミン配位子を用いた銀サブナノクラスターの精密合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19J20289
研究機関北海道大学

研究代表者

齋藤 結大  北海道大学, 大学院環境科学院, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
キーワードクラスター / ポリマー / 自己集合 / ナノファイバー / 超音波 / フッ素
研究実績の概要

昨年度までに開発した配位子層最表面にチオラートアニオンを有するAu25(SR)18クラスターをモノマーに用いて、表面のチオラートを起点としたクラスター間での配位子交換反応により、Au25クラスターから成る新規ネットワークポリマーの合成に成功した。本ポリマー化は溶液中で自発的に進行し、300 nm程度の粒子径を持つポリマーが得られた。この自発的ポリマー化については様々な応用法が明らかになりつつあり、たとえば異種クラスターを反応系中に共存させることで、ハイブリッドなクラスターポリマーを合成できることが明らかになっている。
この他にも、カチオン性のAu8クラスターに対して自己組織性の対アニオンであるsodium dodecylsulfate (SDS)を作用させることで、SDSミセルの内部へ効率的にAu8クラスターを取り込み、顕著な凝集誘起型の発光増大を引き起こすことにも成功した。更にこのSDS内部に取り込まれたAu8クラスターに対して超音波処理を施すと、クラスターのナノ結晶化が進行することを見出した。また、部分的にフッ素化されたチオラート配位子を金クラスターに導入することで、フッ素の疎溶媒性に起因した凝集作用によってクラスターを直径30 nm程度のナノファイバーへと組織化することにも成功している。
以上のように、今年度は金クラスターを共有結合や相互作用を介して高密度に集積する手法を更に発展させることで、クラスターを機能中心とした新材料開発へ向けた展開だけでなく、分散した状態では見られない金クラスターの未踏機能の発見にも繋がった。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Self-promoted solid-state covalent networking of Au<sub>25</sub>(SR)<sub>18</sub> through reversible disulfide bonds. A critical effect of the nanocluster in oxidation processes2021

    • 著者名/発表者名
      Saito Yuki、Shichibu Yukatsu、Konishi Katsuaki
    • 雑誌名

      Nanoscale

      巻: 13 ページ: 9971~9977

    • DOI

      10.1039/d1nr01812d

    • 査読あり
  • [学会発表] 可逆なジスルフィド結合形成による金ナノクラスターのポリマー化2021

    • 著者名/発表者名
      齋藤結大・七分勇勝・小西克明
    • 学会等名
      ナノ学会第19回大会
  • [学会発表] 共有結合ネットワークによる Au25 クラスターの薄膜化2021

    • 著者名/発表者名
      齋藤結大・七分勇勝・小西克明
    • 学会等名
      高分子年次大会第70回
  • [学会発表] 配位子部での可逆なジスルフィド形成による金クラスターのポリマー化2021

    • 著者名/発表者名
      齋藤結大・七分勇勝・小西克明
    • 学会等名
      第72回コロイドおよび界面化学討論会
  • [学会発表] 動的共有結合形成による金クラスターネットワークの構築2021

    • 著者名/発表者名
      齋藤結大・七分勇勝・小西克明
    • 学会等名
      第15回分子科学討論会
  • [学会発表] 動的共有結合形成による金ナノクラスターのネットワーク化2021

    • 著者名/発表者名
      齋藤結大・七分勇勝・小西克明
    • 学会等名
      第11回CSJ化学フェスタ
  • [学会発表] フッ素修飾配位子による Au25 クラスターのナノファイバーへの自己集合2021

    • 著者名/発表者名
      齋藤結大・孫杜紅・七分勇勝・三友秀之・居城邦治・小西克明
    • 学会等名
      日本化学会第102回春季年会

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公開日: 2022-12-28  

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