| 研究課題/領域番号 |
19J20379
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| 研究機関 | 大阪大学 |
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研究代表者 |
佐藤 一希 大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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| キーワード | 皇位継承 / 光格天皇 / 仁孝天皇 / 新清和院（欣子内親王） / 葬送儀礼 / 追善仏事 / 泉涌寺 / 御黒戸寺院 |
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| 研究実績の概要 |
採用2年目にあたる今年度は、宮内庁書陵部、宮内庁宮内公文書館、国立公文書館、国立国会図書館憲政資料室、京都府立京都学・歴彩館、叡山文庫、御寺泉涌寺、柳沢文庫で史料調査を実施した。だが、新型コロナウイルス感染症の影響により、当初予定していた半数近くの機関では、史料調査を行うことができていない。以上を踏まえ、今年度に具体的に実施した研究内容は下記の通りである。
（1）近世天皇家の葬制を女院・皇子女を含めた枠組みで捉え直すことを目的として、天皇家と寺院との関係性、18世紀末以降の葬制の変化、皇統意識との関連、泉涌寺の地位についてそれぞれ検討した。以上の内容は、『日本史研究』704号に論文として発表した。
（2）近世天皇葬送儀礼において門跡寺院が果たした役割を、天台宗寺門派門跡の担った「宝龕御用」の実態とその変遷から検討した。以上の内容は、畿内近国史研究会例会で口頭報告を行い、学術雑誌に論文投稿を行った。
（3）天皇家の追善仏事に関して、（ⅰ）泉涌寺・御黒戸寺院における追善仏事と各寺院の地位の変遷、（ⅱ）宮中で執行された観音懺法・法華八講・懺法講などの追善仏事の執行形態について検討した。以上の内容は、次年度に学会・研究会での口頭報告をそれぞれ予定している。
（4）文政～弘化期の朝廷における女院新清和院の地位に関して、当該期の朝廷運営、具体的には皇位継承や後宮秩序をめぐる問題との関連から検討した。以上の内容は、近世史フォーラム9月例会で口頭報告を行い、学術雑誌に論文投稿を行った。
（5）近世天皇家の葬制・仏事、皇位継承の観点から、幕末維新期の実態を解明すべく、1840～70年代にかけての関連史料の調査・収集を網羅的に行った。前述のように、今年度には史料調査を行えなかったものも多数残るが、調査できなかったものについてはリスト化し、情勢が落ち着き次第、速やかに調査に移れるように準備を進めた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の2年目の研究課題として設定した内容については、1年目に調査を行った史料の分析・発表・投稿などは順調に作業を進め、いくつかの研究成果を公表することができた。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響により、史料調査を行うことができなかった機関が多かったことから、2年目に予定していた史料調査とその具体的な分析に関しては、順調に進められたとは言いがたい状況にある。以上の点を踏まえ、本年度の研究進捗状況については、「やや遅れている」と評価せざるを得ない。
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| 今後の研究の推進方策 |
今年度までの研究内容を踏まえ、次年度は、①近世天皇家の葬制・仏事、②近世後期の朝廷運営と皇位継承、の二つの観点から具体的に研究を進める。
①の観点では、今年度分析を進めた近世天皇家の追善仏事について、口頭発表・論文投稿を行う予定である。加えて、幕末維新期における天皇家の葬制・仏事をめぐる変容について、史料調査・分析を具体的に進める。
②の観点では、今年度までに分析を進めた、18世紀後半～19世紀中葉に至る光格天皇・仁孝天皇の時期の朝廷運営と皇位継承のあり方を前提に、19世紀中葉以降の孝明天皇の時期に関して、史料調査・分析を具体的に進める。
だが、新型コロナウイルス感染症の影響により、史料調査を予定通りに行うことができない状況に陥ることも十分予想される。調査を予定している史料所蔵機関とは密に連絡を取り、安全を最優先に置きつつ、予定している調査を少しでも実施できるように入念に準備を進めたい。
また、今年度やそれ以前に検討した内容では、未発表のものも残るため、その点の発表・投稿を適宜進めることも課題としたい。
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