研究課題/領域番号 |
19J20745
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
武田 健太郎 法政大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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キーワード | 非同期離散状態システム |
研究実績の概要 |
本研究では、超低消費電力非同期順序回路人工内耳モデルの設計と実装及び実機実験を行う。本研究は、既存手法との比較を通して提案人工内耳モデルが消費電力や回路実装の観点で優れていることを示すことを目的とし、より効率の良い人工内耳回路の開発へ向けた基礎研究と位置づけられる。 具体的には、例えば以下などのテーマに取り組む。(1)人工内耳モデルを設計するために、その基礎となる非同期順序回路で実装される非線形発振器の特性を、より簡素なモデルを通して調査する。(2)非同期順序回路で実装される非線形発振器を用いて新たな人工内耳モデルを設計し、数値実験などによって実際の生物が有する蝸牛が呈する非線形応答現象(例えば二音抑圧や結合音現象など)が再現できることを明らかにする。(3)提案人工内耳モデルのデジタルハードウェア実装を行う。実機実験によって提案統合内耳モデルが人工内耳におけるフィルターとして動作することを明らかにする。また、消費電力、回路実装面積などを比較し、提案統合内耳モデルが既存モデルよりも優れていることを明らかにする。 2020年度は、2019年度に引き続き主に(1)の内容に取り組んだ。その結果、非同期順序回路で実装される非線形発振器が用いられる簡素なモデルとして2019年度に提案したCPGモデルやニューロンモデルをより発展させることができた。具体的には(i)2019年度に提案したCPGモデルを改良して結合位相振動子によるCPGモデルを提案し、(ii)2019年度に提案したニューロンモデルを結合したスパイキングニューラルネットワークモデルを提案した。また、これらのモデルが呈する同期現象などをはじめとした非線形現象を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、2019年度に続いて非同期順序回路によって実装される非線形発振器の簡素なモデルとしてCPGモデルやニューロンモデルとそのネットワークを対象に、回路の設計、比較、解析などを行い、同期現象や分岐現象について調査した。これらの研究の成果を国際会議及び学術論文誌で発表することができたが、内耳モデルの設計に着手することはできなかった。 以上のことから、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は2020年度の研究結果から得られた知見を基に、(a)内耳でおこると考えられている結合音現象や2音抑制現象についての生物学的な知見の収集、(b)内耳でおこると考えられている結合音現象や2音抑制現象が再現できる非同期順序回路モデルの設計と数値シミュレーション、(c)設計されたモデルの解析やパラメータ推定、(d)設計されたモデルの回路実装と回路実験、(e)回路実装されたモデルと従来モデルとの 比較、などを行う。 可能であれば、前述の非同期順序回路モデルを結合することによる大規模な内耳モデルへの拡張を検討する。 その後得られた結果を取りまとめ、学会発表または学術論文誌への投稿を行う。
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