研究課題
採用者は、スロー地震と呼ばれる通常の地震よりもゆっくりとした断層すべりの研究を行った。採用者は、昨年度から続けていたコスタリカの沈み込み帯におけるスロー地震の研究を続け、コスタリカのニコヤ半島の沖合の海溝軸近くで、スロー地震の一種である微動および超低周波地震(VLFE)が多く分布していること、および微動のエネルギーレートとVLFEのモーメントレートの比が、先行研究で求められた南海トラフ沿いのスロー地震と同程度の範囲に分布していることを明らかにした。この成果を地球物理学の国際誌であるJournal of Geophysical Research: Solid Earthに投稿し、査読を経て受理・出版された。採用者は、2年目までの研究成果において、日本全国のVLFEの活動度が、九州の沖合の日向灘で特に大きいことに着目し、日向灘で微動・VLFEの詳細解析を行い、先行研究で検出された微動のエネルギーレートとVLFEのモーメントレートの推定を行なった。その結果、微動のエネルギーレートとVLFEのモーメントレートが、北緯31度より南側と、北緯31度より北側の海溝軸近くで大きく、北緯31度より北側の海溝から離れた領域では小さいことを明らかにした。2010年と2013年には、走向方向に南から北へマイグレーションしており、北緯31度より南側は北側に比べて、微動やVLFEの規模が大きく、マイグレーション速度が速いことが明らかになった。先行研究の物理・観測のモデルの基づくと、南側は北側と比較してパッチ(プレート間が周囲より強くカップリングしている領域)の強度が強いと考えられる。この研究成果は学会で発表し、現在投稿論文を執筆しているところである。採用者は、上記の研究成果および、2年目までの研究成果である日本全国のVLFEの時空間特性の研究を博士論文としてまとめ、博士号を授与された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Geophysical Research: Solid Earth
巻: 127 ページ: e2021JB023073
10.1029/2021JB023073
巻: 126 ページ: e2021JB021706
10.1029/2021JB021706