研究課題/領域番号 |
19J20793
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
篠本 創 京都大学, 法学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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キーワード | 安全保障 / 米国 / 湾岸地域 |
研究実績の概要 |
平成31年度(2019年4月から2020年3月まで)は、[1.]自身の修士論文を公表することを目的として修正しつつ、[2.]新たな研究範囲に関する史料の収集・分析に努めた。具体的には、以下のとおりである。 [1.]自身の修士論文を公表することを目的として、特に以下の二点について修正した。第一に、修士論文の段階では分析に供するモデルが十分に明確・精密ではなく、またそのモデルと先行研究とのつながりもやや曖昧であったため、先行研究や本研究に関連するその他の文献を再検討することにより、これらの点について改善を図った。第二に、上述のモデル修正に伴って事例分析の章も再検討する必要性が発生したため、大きく修正を施した。 [2.]博士課程ではジェラルド・フォード(1974年ー1977年)、ジミー・カーター(1977年ー1981年)両政権期を扱う予定であるが、本年度はフォード政権期の米国の湾岸政策について史料収集を行い、それらの史料に基づき分析を進めた。特に、米国ミシガン州アナーバーに所在するジェラルド・R・フォード大統領図書館を約二週間にわたって訪問し、同図書館に所蔵されているフォード政権の政策決定過程・内容を明らかにするような史料を収集した。また本年度中に、1970年代中期の中東・湾岸地域に関するFRUS(The Foreign Relations of the United States)が米国国務省により新規に公開されており、これら二つの史料リソースにより相当程度分析を前進させることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの進捗状況は、概ね順調に進展していると言えるが、その理由は以下のとおりである。 [1.]まず分析の根幹となる史料収集については、計画通りに順調に進行している。フォード大統領図書館において行った史料収集では、当初期待していた以上の量・質の史料を収集することができ、またオンライン上で公開されている史料についてもその所在について十分に特定することができた。 [2.]他方で分析については、本年度前半において修士論文の段階で構築していたモデルの問題点を発見したため、その修正にやや時間を割かれが、この点については既に修正を完了しており、またそのモデルに基づいた事例分析に改めて取り組むことができている。その結果、修士論文を基にした論文を公表する段階へ大きく近づくことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策については以下のとおりに考えている。 [1.]史料収集については、コロナ問題により、当面の間、大統領図書館等を訪問することは困難になると想定されるため、オンライン上で公開されている史料を更に特定・収集することが主要なタスクとなる。ただし、同問題が落ち着き、米国における安全・衛生が確保されていることが十分に確認でき次第、カーター大統領図書館を訪問し史料収集を行うことも予定している。 [2.]事例分析については、既に収集した史料に基づき継続的に分析を行う予定である。
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