今後の研究の推進方策 |
昨年度合成法を確立した、ジヒドロ-β-アガロフラン骨格を有する合成中間体、およびマクロ環フラグメントであるエボニン酸誘導体から、オイオニミンの全合成を達成する。また、含ピリジンマクロ環を有する高酸化度アガロフラン類の網羅的な全合成を指向し、位置選択的なアシル化が可能な反応条件を確立する。まず、昨年度合成した合成中間体から、マクロ環化に続く脱保護、アセチル化により、オイオニミンを全合成する。続いて、マクロ環化成績体が有する異なる保護基の化学選択的な除去を検討する。一級のTBS基を除去してフラノイル化し、残る保護基の除去、アセチル化を経て、ハイポニンBの全合成を達成する。さらにエボニン酸誘導体以外の含ピリジンマクロ環フラグメントを合成する。複数のマクロ環フラグメントをそれぞれ合成した後、アガロフラン骨格を有する合成中間体と連結し、続く脱保護とアシル化により、マクロ環部位の構造が異なる天然物を全合成する。また、マクロ環を有する中間体から、C1,2,6,8,9,14位の6つの酸素官能基が区別可能な脱保護およびアシル化の条件を種々検討することで、含ピリジンマクロ環を有する高酸化度アガロフラン類の網羅的な全合成を目指す。
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