• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

女性向けAV視聴者の社会学的研究:性的主体化とセクシュアル・ストーリーの観点から

研究課題

研究課題/領域番号 19J21151
研究機関東京大学

研究代表者

服部 恵典  東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
キーワードポルノグラフィ / フェミニズム / アダルトビデオ / 性的主体化 / 対話的構築主義 / 再意味づけ / ファン研究
研究実績の概要

本年度に計画していた研究テーマとして、①女性向けアダルトビデオ(AV)視聴者のインタビュー調査可能性、②「男性向け」だったAVを「女性向け」に編集するアダルト動画サイトの実践、③ポルノ映像を構成する「視線」と性的主体化の関係の3つがあった。
①先行研究ではいまだ、ポルノ視聴者の語りがどのような契機で、何を背景に産出されているのかを問う視座に欠けていた。そこで、日本の女性向けAVを視聴するファンが、いかに語ることを可能にしているのかを、コンテンツの特性と調査現場の相互行為に着目しながら明らかにした。
さらに、調査者という聞き手だけでなく、友人や配偶者などの非ファンと語る場合やファン同士で語る場合にいかに「ファンとしての自己宣言」を行うのかを分析した。こうして、ファンと非ファンの間の摩擦や、多様な語りのニーズを持つファン同士の緊張関係、そしてそれを乗り越えるためのファンの語りの戦略を明らかにした。
②昨年度に行った学会報告を、査読論文として整理し投稿した。AVは、「作品」のうち一部の「シーン」のみ視聴しても問題がないというメディア的特性を持つ。サイトと利用者は、元々「男性向け」だった AV 作品から「女性向け」と感じるシーンを新たな見所として発見する読み直しを行えているが、他方で女性に対し差別的・抑圧的とされてきたシーンそのものを「女性向け」と逆用することには困難があった。この観察を通じ、J.バトラーの反ポルノ批判を支える「再意味づけ resignification」概念の可能性と限界を経験的に明らかにした。
③は、研究課題①を充実させたために研究の時間を割くことができなかった。社会学は映像そのものをいかに分析できるかというさらに大きな問題と接続させながら、今後の課題としたい。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ポルノグラフィ・ファンは誰に何を語るのか――女性向けアダルトビデオを視聴するファンの語りの戦略2022

    • 著者名/発表者名
      服部恵典
    • 雑誌名

      ソシオロゴス

      巻: 46 ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] ポルノグラフィの女性ファンへのインタビュー調査可能性――日本の女性向けAVの特性と調査現場の相互行為に着目して2021

    • 著者名/発表者名
      服部恵典
    • 学会等名
      日本社会学会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi