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2021 年度 実績報告書

脈として産する高圧鉱物の複数相飽和実験による沈み込み流体組成と移動の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19J21319
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 菜緒子  東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
キーワード外熱式ダイヤモンドアンビルセル / ラマン分光法 / その場観察 / 石英 / 珪酸塩 / ルチル / 溶解
研究実績の概要

研究最終年度の2021年度は、前年度までに外熱式ダイヤモンドアンビルセル高温高圧発生装置を用いたその場観察及びラマン分光測定実験法を確立したことで、高温高圧下における水溶液への石英(SiO2)とルチル(TiO2)の溶解特性に関する系統的なデータの取得に成功した。造岩鉱物の主成分である珪酸塩が沈み込み帯流体に溶解するメカニズムを分子レベルの構造から理解するために、最大約750 °C、約1.5 GPa条件でアルカリ性水溶液への石英の溶解度と石英飽和流体のラマンスペクトルを測定した。本研究は、これまで同様の研究でなされなかった溶解度とラマンスペクトルの同時測定に加え、溶存珪酸塩のラマンバンドの詳細な解析を行った。これにより、高温高圧下における純水とアルカリ性水溶液への珪酸塩の溶解特性の違いを示した。また実験結果は中性種やイオンを考慮した熱力学モデルと一致せず、珪酸塩陰イオンや重合種がアルカリ性水溶液への石英の高い溶解度に寄与することを示した。これらに基づき、沈み込み帯深部環境下でアルカリ性流体中に形成する珪酸塩種が特定の金属元素の溶解を促進するメカニズムを提案した。さらに、プレート境界岩中の高圧鉱物脈でしばしば異常濃集が観察されるルチルが沈み込み帯流体に溶解する条件を解明するために、構築したシステムを用いて高温高圧下で多様なナトリウム塩水溶液(Na2CO3、NaHCO3、Na2SO4、NaF水溶液)へのルチル溶解実験を行った。上述の水溶液に対するルチル溶解度は、純水に比べて最大一桁高く、流体のpHまたは錯体を形成する配位子の存在度により制御されることが明らかになった。この結果は、沈み込み帯深部環境で一般的に不動元素とされるチタンが流体を介して移動するメカニズムの理解を前進させる。これらの研究成果の一部は、国内学会で発表を行った他、国際誌に掲載された。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] In-situ Raman spectroscopic analysis of dissolved silica structures in Na2CO3 and NaOH solutions at high pressure and temperature2022

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Naoko、Tsujimori Tatsuki、Kamada Seiji、Nakamura Michihiko
    • 雑誌名

      Contributions to Mineralogy and Petrology

      巻: 177 ページ: -

    • DOI

      10.1007/s00410-022-01892-y

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] HDAC experiments on silica solubility and speciation in Na2CO3-H2O fluids at high pressure and temperature2021

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Naoko、Tsujimori Tatsuki、Kamada Seiji、Nakamura Michihiko
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合 2021 年大会

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公開日: 2022-12-28  

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