研究課題
本年度は,球状トカマク実験装置TS-6での電流シート付近の二次元高精細磁場計測を行い電流シートでのBlobやプラズモイドの生成放出の加熱効果を検証した。合体プラズマ実験において内部コイルのクローバーをかける時間を変更しインフロー速度を変化させた実験を行い、インフロー速度によるプラズモイドの形成の発展を明らかにした。インフローガイド磁場が高い場合インフロー速度が大きいと、インフロー束>アウトフロー束によるパイルアップによって電流シートの電流密度が上昇し、電流シート層が厚くなり、複数のBlob(電流密度の塊)が形成される。イオンドップラー分光計測によりイオン温度の上昇を同時に計測したところBlob放出速度が速い場合のほうがイオン温度が上昇していた。コロナの影響で海外渡航や現地実験の遅れのため計画の一部の大型装置での検証を行うことができなかった。本研究を通して、ブロブはパイルアップ、不均一磁場(電流シートの曲がりによるもの)、不均一インフローなどが原因で生成され、プラズモイドやブロブが放出されるとリコネクション電界上昇がみられリコネクションが高速化される。リコネクション磁場やインフローを変えて実験を行いプラズモイドやブロブの放出の様子(大きさ・放出速度)によりリコネクションのタイムスケールが変わることが分かった。これによりパイルアップしたプラズマの塊が高速に放出されることによりリコネクションが高速化することを示している。プラズモイドによってリコネクションが高速化する場合、イオン温度や電子温度の上昇も見られ、プラズモイドリコネクションによるリコネクション加熱が実証できた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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