研究実績の概要 |
これまでの研究成果である世界最高速広帯域 FT-CARS イメージング(Kinegawa, Ryo, et al. "High‐speed broadband Fourier‐transformcoherent anti‐stokes Raman scattering spectral microscopy." Journal of Raman Spectroscopy 50.8 (2019): 1141-1146.)を含む高速顕微イメージング手法に共通する問題点(サンプル調製に要する時間>>イメージングに要する時間)の解決法の考案を行なった。 近年発展してきているフローサイトメトリー法と高速イメージング法を組み合わせることによる解決法で、当該年度中に非線形光学イメージングフローサイトメーターの設計、光学系の構築、構築した非線形光学イメージングフローサイトメーターの実証を行なった。本セットアップでは、ハイスループット、ラベルフリーでの Four-wave mixing (FWM, 四波混合), Second-harmonic generation (SHG, 第二高調波)それぞれの信号強度に基づいたイメージングフローサイトメトリーを可能としている。 本手法のデモンストレーションとして、種々の条件下で培養されたChromochloris(NIES2175)のイメージングフローサイトメトリーを行なった。当該実験により、培養条件の変化による細胞の Morphology(形態)の変化、細胞内に accumulate されたスターチの量の変化が観測された。現在当該研究成果をまとめたものをもとに論文を執筆している。次年度の計画として、さらにマイケルソン干渉計を組み込むことでFWM,SHGに加えてFT-CARS信号の同時検出を可能とするイメージングフローサイトメトリーの開発を進める。
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