研究実績の概要 |
令和二年度は、前年度に開発した金属有機構造体(MOF)の多段階ステップでの集合制御手法を拡張することで、バルク中の独立的な階層構造制御手法の新規確立を試みた。また、前年度に報告したマクロ・メソ・マイクロ細孔を独立的に構造制御したモノリシック UiO-66 材料について機能化を検討することで、通液触媒への応用を試みた。まず、手法の拡張については、前年度に報告した UiO-66 型構造に加えて、MIL-100型構造やMOF-808型構造といった、細孔サイズ・形状が異なるMOF構造においても集合制御手法が拡張できることを明らかにした(論文投稿中)。さらに、マクロ・メソ・マイクロ孔を独立に制御したUiO-66型マイクロ粒子をモノリス体からのトップダウン成型プロセスを利用することで作製した。これに対し、内部へのPdナノ粒子の担持および官能基の修飾による表面の固体超酸化による機能化に成功した。また、これを用いた通液触媒セットアップを立ち上げることによって、離散スケールにおける細孔構造が与える通液触媒における影響について現在調査中である。さらに、本研究の研究コンセプトである、離散スケールにおける細孔構造制御とそれをモデル系として用いたアプリケーションにおける原理解明を金属系多孔体においても拡張することで、リチウム空気電池のカソードにおける重要な反応であるリチウム・酸素電気化学反応における階層マクロ細孔構造が与える影響についても明らかとした。(J. Phys. Chem. C, 2021, 125(2), 1403-1413; Cover Art) 。
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