研究実績の概要 |
モジュラ束から誘導されるオーソスキーム複体の非正曲率性の証明には, モジュラ束のビルディング的性質「二つの極大鎖が生成する部分束は分配束をなす」が重要であった. この性質を半モジュラ束に拡張する研究を行った. 半モジュラ束における二つの極大鎖のモジュラ凸包がアンチマトロイドと同型な部分集合を一意に定め, それがもとの二つの極大鎖のフラッグ距離としての区間に対応することを示した. この成果をまとめた論文を学術誌に投稿した. 構造的グラフ理論に関する結果を得た. 4頂点完全グラフの根付き細分(指定された4頂点を分岐点とする細分)を含まない6連結グラフの構造を特徴づけた. この成果をまとめた論文「Linking four vertices in graphs of large connectivity」が Journal of Combinatorial Theory, Series B に採択された. また, 緩和問題として, 4頂点完全グラフから一つの辺を除いたグラフ対しても類似の問題を考え, その根付き細分を含まない3連結グラフの構造を特徴づけた. この成果をまとめた論文「Rooted topological minors on four vertices」が Journal of Combinatorial Theory, Series B に採択された.
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