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2019 年度 実績報告書

運動限界を決める脳内機序の探索: 運動時の循環調節における扁桃体の役割

研究課題

研究課題/領域番号 19J22706
研究機関順天堂大学

研究代表者

月岡 惠惟  順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
キーワード運動限界 / 扁桃体中心核 / 循環調節 / 高強度運動
研究実績の概要

本研究の目的は「苦しい」などの負情動に関与する扁桃体中心核が高強度運動時のパフォーマンスおよび循環調節に果たす役割を解明することである。そこで本年度は、扁桃体中心核を物理的に破壊したとき、運動パフォーマンスおよび運動時の血圧と心拍数に及ぼす影響について検討した。先ず高強度運動時の循環応答について調べる実験を行った。ラットの腹大動脈にテレメトリー送信器を埋め込んだあと、動物用トレッドミルを用いて漸増運動負荷試験を実施し、運動時の循環動態の変化、特に高強度運動時における血圧の変化に着目した。これまで血圧と心拍数は運動負荷に対し比例して増大すると言われていた。しかしながら、本研究において、血圧に限っては高強度運動時、つまり最大運動に近い状態になると、過剰な血圧上昇がおきることが確認された。次に、高強度運動パフォーマンスにおける扁桃体の役割について調べるために、扁桃体を破壊する前後においてラットに漸増運動負荷試験を実施し、扁桃体破壊が最大運動走速度にどのような影響を及ぼすのかについて検討した。その結果、偏桃体を破壊する前よりも扁桃体破壊後に最大運動走速度が上昇する可能性が示唆された。また、ラットの腹大動脈にテレメトリー送信器を埋め込んだあと、扁桃体中心核の破壊前後に漸増運動負荷試験を実施し、扁桃体中心核の破壊が運動時の循環反応にどのような影響を及ぼすのかについて検討した。その結果、高強度運動時にみられる血圧急上昇開始時間が遅延する可能性が示唆された。さらに、高強度運動時における血圧上昇様式が扁桃体破壊前よりも扁桃体破壊後のほうがより緩やかになる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は1年目が終了した。研究代表者の所属する研究機関が夏季の台風による被害(大規模停電)を受けたものの、扁桃体中心核破壊による運動パフォーマンスおよび循環調節に及ぼす影響について新たな知見が得られた。そのため、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

本年度では、扁桃体中心核破壊が運動パフォーマンスおよび循環調節に影響を及ぼす可能性が示唆された。しかしながら、被験体数の増加を必要とするため、次年度以降も引き続き実施していく予定である。さらに、研究を行っていくなかで、本研究課題の主要研究計画であるオプトジェネティクスを用いた生理機能実験を実施する前にやるべき基礎研究(高強度運動時に活性化する神経ペプチドの同定など)が明らかとなった。次年度は昨年度実施した実験の追加を行いながら新規の実験を行うことになるが、すでに解析方法や実験方法は確立しているため問題なく遂行できると考える。また、オプトジェネティクスを用いた実験を行うための準備も本年度から少しずつではあるが進行しているため、次年度も本年度と同様に進めていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Effects of bilateral lesions of amygdala on cardiovascular responses during treadmill running in rats2020

    • 著者名/発表者名
      Tsukioka K, Yamanaka K, Waki H
    • 学会等名
      第97回 日本生理学会
  • [学会発表] ラットの扁桃体破壊は漸増運動負荷試験における最大走速度を増大させる2019

    • 著者名/発表者名
      月岡惠惟, 山中航, 和気秀文
    • 学会等名
      第74回 日本体力医学会
  • [学会発表] Specific changing patterns of arterial pressure during high intensity of treadmill exercise in rats2019

    • 著者名/発表者名
      Tsukioka K, Yamanaka K, Naito H, Waki H
    • 学会等名
      The 1st International Sport Neuroscience Conference
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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