研究課題
本研究では唾液腺疾患であるシェーグレン症候群発症におけるRunx1の役割を詳細に解析することが目的である。その中で、作成されたRunx1のKOマウスの形態解析を行う中で唾液腺以外にも変異形があるということが確認された。Runx1はCbfbと相互作用してその発現が調整されると考えられている。その中で申請者は大阪大学歯学研究科矯正歯科教室とRunx1とCbfbKOマウスは口蓋裂を発生することがわかり、その発症メカニズムを解析した。その内容に関しては Disease Model Mechanical誌にAnterior cleft palate due to Cbfb deficiency and its rescue by folic acid.という内容を投稿し掲載された。口蓋裂は葉酸によりそれらの発生を予防することができると知られているが、そのメカニズムを解明する新しい内容であった。また唾液腺に関して、シェーグレン症候群のメカニズムを解析するとともに唾液腺の発生過程と再生過程を比較しながら、唾液腺再生のメカニズムを解析を行った。再生医療を実現するためには発生生物学の研究とともに再生生物学を発展させることが重要であるといわれている。近年の再生医療の躍進は目覚ましいものがあるが、唾液腺の分野での再生医療は未だ困難であり、口腔乾燥症に対する治療法は対症療法が主流となっている現状がある。唾液腺の再生医療が難航している原因はいくつか考えられるが、その原因の一つとして、唾液腺発生における報告は数多くあるものの、組織障害後の再生に関する解析が少ないことが挙げられると考えられる。そこで胎仔唾液腺と損傷唾液腺を用いて、唾液腺の発生過程が再生過程を同一であるのかもしくは違いがあるのかという点に着目し検討を行った。
3: やや遅れている
当初は、令和元年度にT細胞分化成熟におけるRunx1の役割を調べるためWild typeのマウスを用いて評価を行う予定であった。また、令和2年度にNFS/s1dマウスを用いて、唾液腺組織内の浸潤リンパ球評価およびアポトーシス誘導因子解析を行う予定であった。産前産後の休暇及び育児休業を取得したことに伴い、令和元年度は、研究継続を行い、マウスの評価を主に行うこととする。
令和2年度にも引き続きWild typeマウスを用いた実験を継続する。またWild typeマウスを用いた実験と並行して、NFS/sldマウスを用いた実験も行う。また唾液腺発生過程を紐解くうえで必要となると考えられる、唾液腺の再生過程と発生過程の検討に関しても引き続き行う。
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