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2021 年度 実績報告書

アマゾン上流域三国における先住民社会の変容-開発・環境・移動-

研究課題

研究課題/領域番号 19J40054
研究機関東京大学

研究代表者

大橋 麻里子  東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(RPD)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2023-03-31
キーワードキャッサバとバナナ / 氾濫原の生活 / スペイン語教育
研究実績の概要

2022年度は延期してきた海外フィールドワークの実現を期待していたが、国内の新型コロナの感染状況、および、渡航先の受入研究機関の都合から渡航を諦めざるえなかった。他方、国内において以下の研究活動を行なった。
(1)昨年度に引き続き、国内での農山村地域(主には山梨県内)でフィールドワークを行い、生業(農耕・狩猟)の調査を進めた。将来的な研究課題の発掘をすることができたと考えている。国内とアマゾニア地域の事例比較は簡単にはできず慎重になるべきだと考えるが、それでも、国内フィールドワークを行ったことで、生業や食文化といった普遍的視点に加えて、過疎化といったや共通する社会問題があることがわかった。
(2)これまで未発表だった内容について、英語文献の分担執筆を進めることができた。内容は、調査対象であるペルー氾濫原に住む先住民シピボが、川の大氾濫時にどのように対応しているかというものである。その際に、シピボが主食として栽培するキャッサバとバナナに注目し、それぞれの栽培および利用方法の違いを明らかにし、彼らにとってのキャッサバとバナナの意味について考察を行った。作物の植物学的差異(キャッサバ:イモを土中に貯蓄ができる。バナナ:基本的に保存ができず収穫時期も人が決めることがむずかしい)が、利用方法の違いに大きく影響していると考えられた。
(3)スペイン語の初級教科書『ミカサ・トゥカサ』(朝日出版社)の共著者をつとめるかたわら、シピボ語の文法の整理を行い、シピボ語におけるスペイン語の影響について考察を進めることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた海外フィールドワークは延期となったが、国内でこれまで蓄積してきたデータを研究成果として公表するための準備を進めることができた。また国内フィールドワークの実施によって、本研究を将来的にどう発展させていくかのアイデアを得ることができた。以上のことから、研究はおおむね順調に進展していると判断している。

今後の研究の推進方策

来年度は、過去に研究中断(出産・育児)によって、来年度に3ヶ月間延期することとなった分の延長である。可能であれば海外フィールドワークが実現できればと思うが、それができなくても、今年度行なってきた活動を継続することで、研究の相対化を行なって行ければと考えている。

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公開日: 2023-12-25  

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