現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナによる自粛生活により、しばらく出勤することができず、研究室で行う実験がトータルで半年近く滞ってしまったため。 複数遺伝子へのゲノム編集をより効率の良いものにするための、プラスミド構築について改良を試みた。代謝に関わる遺伝子 (pta, ldhA, poxB, pgi, adhE) を標的としたgRNAを設計し、2x~5xの複数標的sgRNAプラスミドの作製を試みた。その結果、3遺伝子までは構築できたが、それ以上は構築することができなかった。以前、combi-OGAB法を用いた6遺伝子sgRNAプラスミドの作製の際も、sgRNAのリピート配列の影響などにより構築にたいへん時間がかかったことから、3遺伝子sgRNAを乗せたプラスミドを基本とした変異導入法が現時点での最適な方法ではないかと考えられた。 次に、CRISPR-gRNAを導入した大腸菌に薬剤などの選択圧をかけ、スクリーニングを行うことで表現型に関わる新たな変異個所を探索することができるかどうか、条件検討と予備実験を行った。Rifampicin 耐性関連遺伝子rpoB、fluoroquinolone耐性関連遺伝子gyrAを選定し、マイクロプレートを用いたMIC assayにより各薬剤の最適濃度を決定した。次に、標的配列20塩基をNとして設計したプライマーを用いてCRISPR-gRNAを構築し、大腸菌に導入した。各薬剤の選択圧下における大腸菌を集菌し、プラスミド抽出後、gRNA部分を次世代シーケンサーで配列解読した。その結果、rif耐性大腸菌からはrpoB以外の特異配列が7つ、nalidixic acid耐性大腸菌からはgyrA以外の特異配列が5つ、それぞれ同定された。
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