当該年度は前年度にひき続き、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴う海外渡航制限や移動制限の影響を受け、現地調査を実施することができなかった。本研究課題は現地でのフィールドワークに基づくデータ収集とその分析によって遂行する予定だったため、フィールドワークが不可能な状態では研究課題の遂行は困難だった。そのような状況下ではあったが、国際電話はSNSを通じ、ザンジバルのインフォーマントと連絡を取り合い、最低限の現地事情および関係継続のためのコミュニケーションを継続した。電話やSNSによる遠隔からではあったが、過去に収集したデータの分析を進める中で生じた疑問について質問したり、フィールドワークが可能になった場合の新たなデータ収集方法についての相談を行ったりもすることができた。 また、フィールドワークが不可能な分、文献調査や国内の研究者との打ち合わせ等を行って研究課題の遂行に努めた。大規模な研究集会や学会大会は新型コロナウイルスの流行のため、オンライン開催や規模を縮小しての開催となり、国内学会への参加も頻度が下がった。しかしながら、個別の研究者との情報交換を重ねることで、研究課題についての新たな視点を得ることができた。 オンラインで開催された国際漁業学会研究会においては、ザンジバルの漁業・水産業の概要と日本の国際協力が支援可能な点について情報提供を行った。研究者のみならず国際協力の実務家の方々からも様々なコメントをいただき、有意義な情報共有の場を持つことができた。
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