研究課題/領域番号 |
19J40193
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 和歌奈 京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員(RPD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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キーワード | 発酵 / 人間と微生物 |
研究実績の概要 |
査読論文2本(うち英語論文1本)、2冊の編著本のそれぞれ1章を執筆し、計4本の論文を出した(詳細は以下の通り)。難易度の高い国際ジャーナルSocial Studies of Scienceにも英語論文を投稿中で、査読を受けて書き直している。 研究発表では、昨年12月に京都大学で開かれた国際組織論学会(EGOS)において、口頭発表を行ない、専門家から有意義なコメントを得た。 1)査読論文として、科学社会学会の「年報 科学 技術 社会」に『実験室から「相互の係わりあい」の民族誌へ』を投稿し、1月に掲載決定となった(雑誌は今年の6月ごろ刊行予定)。2)査読論文として、“Capturing the Potentiality of Stem Cells”をEGOSに投稿し、掲載された。3)科学技術社会論の叢書『科学技術論の挑戦』において、科学技術の民族誌に関する章を執筆した(書籍は今年の10月に刊行予定)。4)世界思想社の雑誌「世界思想」の一章「小文字の倫理」を執筆した(2020年3月に出版済み)。 調査は、夏と冬に集中して行なった。夏に秋田市に1週間ほど滞在し、秋田大学の微生物の研究室や、菌を育てて売る「もやし屋」と呼ばれる会社、日常的に漬物を作っている家庭などでインタビューを行った。調査と平行して行なった文献調査から、日本の人間と微生物の関係について、科学と文化の両面からおおよその見取り図を得た。 人間と微生物の関係について、文化的な側面を深めるために、冬に京都市内、福井県、奈良県などで、味噌、醤油、麹などの発酵食品を作っている人たちにインタビューを行なった。発酵食品を作っている人たちには独自のネットワークがあり、そこにアクセスすることで今後の調査の発展が見込まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
子供が小さく、子育てに時間が割かれ、調査が思うようにできなかった。そのため、研究活動は執筆がメインとなった。英語、日本語合わせて4本の論文を出した。執筆に関しては、予定よりも順調に進んだ。だが、調査は予定通りには進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
RPD2年目においては、論文執筆よりも調査を行う予定だったが、新型コロナの影響で調査が思うようには進まない可能性がある。オンライン上でデータを収集するデジタルエスノグラフィーなどの研究蓄積を参照し、少しでも調査を進めたい。また、執筆をこのまま続け、今あるデータでなるべく論文を出すことを心がけたい。
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