研究実績の概要 |
調査については、コロナの状況の中で大幅に計画を変更せざるを得なかったが、できる限りデータを収集した。主に京都府、愛知県、静岡県などで発酵や食に関するフィールドワークやインタビューを行い、データを収集したほか、オンラインで科学者や微生物で服を作るデザイナーなどへインタビューを行った。当初、海外に滞在し調査を行う予定であったが、コロナ渦となり、海外での調査は断念することとなった。 成果である学術論文計5本(4本は出版済み、1本は執筆中)のうち2本は査読論文であり、そのうちの1本は英語論文かつ国際トップジャーナルに掲載されている。昨年の夏までに、科学社会学会の雑誌に、アクターネットワーク理論の展開とダナ・ハラウェイなどのフェミニズムSTSがどのように発展したかをまとめた論文が掲載された(日本語)。また、以前から書き直しを続けていた論文(英語)が、科学技術論のトップ国際ジャーナルにアクセプトされ、オンラインファーストで掲載された。また、マルチスピーシーズ人類学に関する編著本の依頼を受け、1章分を執筆した(日本語)。この編著本は令和3年の秋に出版予定である。また、科学技術社会論の教科書である『科学技術社会論の挑戦』, 第3巻 (「つなぐ」「超える」「動く」の方法論)の1章を担当し、科学技術の人類学の潮流についてわかりやすく紹介した(日本語)。こちらの教科書はすでに出版されている。また、世界思想社の出版している雑誌にエッセーを寄稿した(日本語)。 研究発表では、「京都人類学研究会」で研究発表をする機会を得た。オンラインの開催で70名ほどが聴講し、コメンテーターの山崎吾郎先生(大阪大学)や質問者から有意義なコメントを得ることができた。 一連の研究成果が評価され、科学技術社会論学会・柿内賢信賞奨励賞を受賞し、令和2年12月に科学技術社会論学会より表彰された。
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