研究課題/領域番号 |
19J40201
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
磯 直樹 慶應義塾大学, 法学部, 特別研究員(RPD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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キーワード | 文化 / 不平等 / 対応分析 |
研究実績の概要 |
本年度は、以下の4件の学術会議で研究成果を発表した。 一点目は、ピエール・ブルデューの社会空間アプローチを用い、文化の不平等を階級分析の観点から捉える試みである。二点目と三点目は、2018年度に実施したウェブ調査のデータを用い、美術界の計量分析を試みたものである。四点目は、戦後日本の美術界の歴史分析を通じて、日本における正統文化とは何かを考察したものである。他方で、当初予定していた社会生活基本調査のデータを用いた分析は研究成果として発表することができなかった。これは今後の課題であるが、以下の研究成果により、現代日本の文化と不平等を経験的に捉える基本的な視座を提示することができた。
1. Constructing a Social Space in Contemporary Japan(オーストラリア社会学会年次大会 2019年11月27日) 2. Cultural Practices and the Art Field in Tokyo(オーストラリア社会学会年次大会 2019年11月26日) 3. 美術界の社会学的分析:2018年東京ウェブ調査の多重対応分析(日本社会学会大会 2019年10月6日) 4. La culture legitime dans le Japon contemporain (フランス社会学会 Congres 2019 de l'AFS - Aix en Provence 2019年8月27日)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SSM調査のデータとウェブ調査データの分析に関しては、当初の予定通りに分析を進めることができ、その研究成果を(口頭発表という形ではあるものの)公にすることができた。他方で、社会生活基本調査のデータを用いた分析を進めることができなかった。これは、本研究の理論パートとも関わりのあるブルデュー研究に関し、単行本『認識と反省性:ピエール・ブルデューの社会学的思考』の執筆と編集作業に相当な時間を使ったためである。この著作の多くの部分は本研究とも関わりが深いので、全体としては本年度の研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、社会生活基本調査のデータを用いた分析を行いつつ、SSM調査データとウェブ調査データを用いた分析に基づく論文を執筆し、学術誌に投稿していく予定である。
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