研究実績の概要 |
これまでに、ガレクチンーEMARS反応触媒酵素キメラタンパク質を発現するベクターを作製している。本ベクターをHeLa細胞に導入し、安定発現株も作製している(HeLa WT)。 上記の細胞株を用いてEMARS反応を行い、質量分析を行うため、その精製法を検討した。その結果、次の方法を最適とした。EMARS反応後、DE-52カラムにて過剰なFITCを除去する。続いて、Anti-FITCセファロースビーズにてFITC標識されたタンパク質を精製し、過剰FITCにてビーズより標識タンパクを競合溶出させる。その後、クロロホルム/メタノール(1:2)にて、標識タンパク質を沈殿させ、SDC/SLS溶液に溶解させる。本精製法を用いて、HeLa WT(Dox-)および(Dox+)のEMARSサンプル(Dox-:Dox+=1:1)をSILAC法による質量分析に供した。具体的には、SDC/SLSに溶解させたサンプルを還元アルキル化、トリプシンにて消化し、酢酸エチルにて界面活性剤を除去した。その後、脱塩を行い、ペプチドをLC-MS/MS質量分析を用いて解析した。 その結果、Light<Heavyとなる138個のタンパク質が同定された。この中にはGalectin 3およびmCherry-APEX-ガレクチン3-HiBiTキメラタンパク質も同定された。Log2 (ratio H/L)>1のタンパク質として、A-kinase anchor protein 11, Complement decay-accelerating factor, Myosin-9, 10, 11, 14, Tropomodulin-3, Secreted Ly-6/uPAR domain-containing protein, Mucin-like protein 1などが同定された。
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