研究課題/領域番号 |
19K00013
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
土屋 貴志 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (90264788)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 研究倫理 / 被験者保護 / 研究不正 / 研究費不正使用 / 利益相反 / 研究公正 / 倫理教育 |
研究実績の概要 |
3年目である2021年度も、2年目の2020年度から引き続きCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)流行への対応に多大な時間と労力を割かれたため、実施計画を完遂できず、研究期間を2022年度まで延長することになった。 そうした中で2021年度は、研究が遅れていた2年目実施計画の課題「研究不正」「研究費の不正使用」「研究に対する圧力の適正な処理」のうち、「研究に対する圧力」の一つとしての利益相反に関して分析し、その成果を日本高血圧学会の全国フォーラムにおける招待講演で発表した。また、医学研究の基盤をなす「健康」の概念に関して考察し、東邦大学での招待講演で発表した。さらに、研究倫理教育において重要な役割を果たしている「事例」と「理論」の関係について考察し、大阪大学での招待講演で発表した。「研究不正」と「研究費の不正使用」に関しては大阪市立大学大学院全学共通科目「研究倫理」において、研究成果を活かした授業を行った。 本来の3年目実施計画に掲げた「研究成果発表における不正」に関しては、盗用に関する研究の成果を用い、2022年度から大阪公立大学で新設される科目「研究公正」において授業する。また「研究成果利用に対する責任」に関しては、医学研究倫理が被験者保護を目的として成立した経緯や、軍事医療倫理学に関する研究成果を、2022年度に発行される複数の共著の一部として執筆した。 また、2019年10月から務めている奈良県御所市立大正中学校の道徳授業アドバイザーを継続し、研究倫理教育の改善策を模索している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やや遅れている原因はやはりCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行が収まらないことである。勤務先である大阪市立大学では緊急事態宣言発出により5月から6月にかけて授業が再び全面的に遠隔になり、10月以降も全ての授業で対面と遠隔の併用を迫られ、対面授業のみの場合の数倍の労力を強いられたため、招待講演の準備としての研究を進めるのが精一杯であった。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を延長したため2022年度が最終年度となったが、残る課題「消費者保護」「研究者の安全確保」「実験動物の虐待防止」「環境汚染防止」に関しても研究を進め、全体を集大成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度と同様に、COVID-19流行対策として、全ての学会大会がオンライン開催になり、国内外への旅費の支出がなかった。その分をコンピューター周辺機器の整備や図書等の資料購入に振り当てたが、全額を執行するまでには至らなかった。 研究実施計画の遂行もCOVID-19流行により遅れているため、研究期間を延長し、残額は最終年度に執行する。学会大会が対面で実施された場合は旅費として支出し、オンライン開催が大半の場合は引き続きコンピューター周辺機器の整備や資料購入を行う。
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