• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

欠如的アプローチを超える身体理論の研究:現代フランス現象学運動を中心として

研究課題

研究課題/領域番号 19K00029
研究機関東北大学

研究代表者

澤田 哲生  東北大学, 教育学研究科, 准教授 (60710168)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード身体 / メルロ=ポンティ / リシール / 子ども / 患者 / 浸食 / 絡み合い / 崇高
研究実績の概要

2023年度は当該事業の最終年度であり、研究課題のアウトプットと総括を行った。その成果として、Levinas et Merleau-Pontyという国際共著で、メルロ=ポンティの身体論に関する論文(フランス語)を公刊した。日本語の論文としては、『モラリア』誌(東北大学文学研究科哲学倫理学研究室)で、上記論文を深化させた内容の論文を公刊した。また、みすず書房で、メルロ=ポンティの講義録の邦訳(『子どもの心理‐社会学』、共訳)を公刊した。
研究発表という形式でのアウトプットに関しては、6月にフッセル・アーベント(東北大学文学研究科)で、メルロ=ポンティの身体論に関する発表を行った。7月には日本サルトル学会(立教大学)で、サルトルの想像力理論と情動性に関する発表を行った。同月、立命館大学間文化現象学研究センターで、上記の邦訳の刊行記念イベントで、メルロ=ポンティのソルボンヌ講義に関する発表を行った。9月には、ハンナ・アーベント(東北アーレント研究会)でメルロ=ポンティとアーレントの子ども観に関する発表を行った。11月には、本事業の総括として、マルク・リシールの現象学に関するシンポジウムを東北大学で開催した。2024年3月には、カントとフランス哲学と題されたシンポジウム(日仏哲学会)に招へいされ、リシールの『判断力批判』へのアプローチに関する研究発表を行った。
本事業では、研究課題のメインテーマである「身体」について、メルロ=ポンティとリシールの現象学から考察してきた。2023年度以前の研究成果と合わせて、上記の研究成果により、子どもおよび患者の身体性を欠如的なアプローチとは別の観点から記述することが可能となった。この記述方法として、「自己愛」、「崇高」、「絡み合い」、「浸食」等々の概念が提示された。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 5件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 「肉・私の肉・世界の肉――後期メルロ=ポンティにおける身体概念の再考察――」2023

    • 著者名/発表者名
      澤田 哲生
    • 雑誌名

      『モラリア』

      巻: 30 ページ: 137-157

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 「心的能力の動揺と触発――マルク・リシールによる『判断力批判』への現象学的アプローチから――」2024

    • 著者名/発表者名
      澤田 哲生
    • 学会等名
      日仏哲学会シンポジウム:「カントとフランス哲学――「自己触発」概念の現象学的展開とその諸相」(日仏哲学会、東京大学)
    • 招待講演
  • [学会発表] 「『幼年期の現象学』から肉の存在論の深化へ」2023

    • 著者名/発表者名
      澤田 哲生
    • 学会等名
      第46回フッセル・アーベント(東北大学文学研究科哲学倫理学研究室)
    • 招待講演
  • [学会発表] 「空想・イメージ・情動性 ジャン=ポール・サルトル『イマジネール』における現象学的なもの」2023

    • 著者名/発表者名
      澤田 哲生
    • 学会等名
      日本サルトル学会第51回研究例会
  • [学会発表] 「メルロ=ポンティと子どもの心理学を考える」2023

    • 著者名/発表者名
      松葉 祥一、澤田 哲生、酒井 麻依子
    • 学会等名
      M. メルロ=ポンティ『子どもの心理・社会学 ソルボンヌ講義2』(みすず書房)刊行記念 翻訳者トークイベント」(立命館大学間文化現象学研究センター・立命館大学人文科学研究所)
    • 招待講演
  • [学会発表] 「メルロ=ポンティとアーレント:幼年期をめぐって」2023

    • 著者名/発表者名
      澤田 哲生
    • 学会等名
      第12回ハンナ・アーベント(東北アーレント研究会、東北大学情報学研究科)
    • 招待講演
  • [学会発表] 「マルク・リシールの現象学:『対話』と各主著をめぐって」2023

    • 著者名/発表者名
      澤田 哲生
    • 学会等名
      シンポジウム:マルク・リシールの現象学(東北現象学サークル第1回研究大会)
    • 招待講演
  • [図書] Levinas et Merleau-Ponty : Le corps et le monde (担当範囲: "Corps et Monde dans le mouvement en spirale. La question du "narcissisme" chez Merleau-Ponty", pp. 101-113)2023

    • 著者名/発表者名
      Tetsuo Sawada (ed. Corine PELLUCHON, Yotetsu TONAKI), 他21名
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      Hermann (France)
    • ISBN
      979-1-0370-2288-2
  • [図書] 『子どもの心理-社会学――ソルボンヌ講義 2』(共訳、担当範囲:「子どもの意識の構造と葛藤」(pp. 1-94)、「幼児の対人関係」(pp. 166-280))2023

    • 著者名/発表者名
      M・メルロ=ポンティ
    • 総ページ数
      512
    • 出版者
      みすず書房
    • ISBN
      978-4-622-09615-3

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi