正義とは「各人に各人の正しさを配する持続的で永続的な意志である」というウルピアヌスによる規定について、法学者アゾと神学者アクィナスの解釈の異同を検討して、アクィナスによる哲学的分析の特徴を明らかにした。正義に密接に関連する自然法についても、「自然法は、自然がすべての動物に教えたものである」という法学者ウルピアヌスの規定について、アクィナスやアルベルトゥス・マグヌスといった神学者と、法学者たちによる解釈の特徴を見定めた。さらに、12世紀のサン・ヴィクトルのフーゴーと、13世紀のアクィナスによるリベラルアーツの考え方の分析を通じて、リベラルアーツと「正義」の関係について考察した。
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