研究課題/領域番号 |
19K00041
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
藤野 寛 國學院大學, 文学部, 教授 (50295440)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アドルノ / 歴史哲学 / 美学 |
研究実績の概要 |
本研究は、(1)申請者が30年以上にわたって続けてきている、アドルノの哲学上の主要著作である『否定弁証法』と『美の理論』を原典で読む研究会(「アドルノ美学研究会」)を、およそ10人の参加を得て継続すること、(2)ベルリンのヴァルター・ベンヤミン・アルヒーフに申請者が赴き、アドルノ『歴史哲学講義(1957)』を閲読・筆写すること、(3)現代ドイツの若手アドルノ研究者を日本に招聘し、講演会と共同研究会を開催すること、の三点を内容とするプロジェクトである。 2022年度は、このうち(1)と(2)については計画通り実施することができた。 即ち、(1)の「アドルノ美学研究会」はコロナ禍による中断を経つつも、2020年秋にオンラインにて再開され、その後は月に一度のペースで開催され、本年度は10回の開催を見た。研究会と並行して、この研究会の中心メンバーによってアドルノ『美学講義1958/59』の翻訳が進められてきたが、その翻訳原稿は出そろい、目下改稿作業中であり、監訳者の西村誠氏と本研究申請者による解題・解説の執筆もほぼ終了し、2023年5月中には原稿を揃えて出版社に提出、順調に進めば2023年中には刊行できる予定である。 (2)については、2022年8月~9月及び2023年3月に申請者がベンヤミン・アルヒーフに赴き、『歴史哲学講義(1957)』の閲読・筆写に着手、継続した結果、全20回に及ぶ本講義のうち、ちょうど半分の第10講義までを筆写することができた。 それに対して、(3)については、もともとユリアーネ・レーベンティッシュ教授(ダルムシュタット工科大学)、ゲオルク・ベルトラム教授(ベルリン自由大学)をそれぞれ10月と3月に東京にお招きし、講演会及び共同研究会を開催する予定であったが、コロナ禍の影響を受け、1年の延期を余儀なくされることになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響を受け、『アドルノ美学研究会』は半年余り、中断を余儀なくされた。(その後、オンラインでの開催に移行した。) 申請者のベルリン出張も予定通り行うことはできなかった。 ドイツのアドルノ研究者を日本に招聘することも不可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍のせいで予定通り行えなかった、ドイツのアドルノ研究者の招聘、共同研究会+講演会の開催を実現したい。 『アドルノ美学研究会』及び、ベルリンのヴァルター・ベンヤミン・アルヒーフ出張は、これまで通り継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により、ドイツからアドルノ研究者を招聘し、講演会・共同研究会を開催することが不可能になった。
共同研究会は、2023年度も、月に一度のペースでオンライン開催する。 ドイツからのアドルノ研究者の招聘も、先方の意向を確かめつつ実現したい。
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