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2022 年度 研究成果報告書

褻(ケ)としての生命倫理の基礎構築

研究課題

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研究課題/領域番号 19K00046
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01010:哲学および倫理学関連
研究機関東京都市大学

研究代表者

山本 史華  東京都市大学, 共通教育部, 教授 (20396451)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード生命倫理 / 褻 / 日常 / 脳死 / 臓器移植 / 安楽死 / 尊厳死 / 民俗
研究成果の概要

本課題は、「日常=褻」の観点から生命倫理学の諸課題を問い直すことを目的としている。生命倫理学は、その黎明期には医学・医療を我々の日常生活へと広く開いていく方向性を有していたが、その方向性は次第に失われ、現在は最先端の医療現場や医療政策に呼応する倫理の研究が主になってしまっている。しかし、例えば生命倫理学で頻繁に取り上げられる死の問題一つとっても理解されるが、死は医療だけの問題ではない。それは、日常生活を生きる人間の問題であり、日常の中で再検討されるべき課題である。
以上の観点に立つことで、本課題は特に脳死と安楽死を日本人の日常の中に位置づけなおし、両者を下支えするエートスの解明を試みた。

自由記述の分野

倫理学一般 応用倫理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

1997年の臓器移植法制定から四半世紀が経つが、日本では脳死下ドナー数が伸び悩んでいる。この理由は医療制度の問題として論じられがちだが、実はその背後には臓器へのアニミズム的感覚や意識の有無だけで生死を区別しない死生観があることを主張した点が本課題の学術的意義である。また積極的安楽死に賛成は七割を超えるという調査結果(2015)があり法制化の動きもあるが、日本人の安楽死容認の理由として頻繁に挙げられる「他人に迷惑がかかるから」は、自己決定では片付けられず、他者への関係性が入り込んでいるため、自己決定の理由としては十分ではない。ゆえに法制化には慎重であるべきだと唱えた点が社会的意義である。

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公開日: 2024-01-30  

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