研究課題/領域番号 |
19K00047
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
金光 秀和 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (50398989)
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研究分担者 |
直江 清隆 東北大学, 文学研究科, 教授 (30312169)
北野 孝志 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 教授 (20390461)
紀平 知樹 兵庫医療大学, 共通教育センター, 教授 (70346154)
鈴木 俊洋 崇城大学, 総合教育センター, 教授 (80645242)
寺本 剛 中央大学, 理工学部, 准教授 (00707309)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 技術哲学 / 技術倫理 / 現象学 / 身体 / ロボット / AI |
研究実績の概要 |
2019年度は「身体の変容を吟味するための理論的考察と次年度の予備的考察」を目標とした。具体的には、第一に身体の変容をめぐる技術哲学的視点の確立を目指した理論的考察を進めること、第二に理論的考察について国際学会での発表と国際的な研究会を実施すること、第三に社会的提言に向けた予備的考察を進めることを目標とした。 第一の目標はおおむね達成できたと考える。ロボット技術などを具体的事例として取り上げながら、これまであまり哲学的に考察されることのなかった「親密さ」(intimacy)という概念を考察することの重要性がますます明らかとなってきた。また、身体の変容という視点を軸に人間と人工物との関係を検討することによって、ユーザーエクスペリエンスのあり方の捉え直しなど、ヒューマンインターフェースの領域における問題との接点も明らかになってきた。 第二の目標についてもおおむね達成できたと考える。金光が米国で開催されたSociety for Philosophy of Technology(5月)、Society for Social Studies of Science Annual Conference(9月)の研究大会で発表するとともに、Workshop “Japanese Philosophy of Technology -- Past and Present”を東京で他の科研費と共催し、議論を深めることができた。 しかし、第三の目標については達成することができなかった。というのは、具体的事例についてメンバーと議論するために、研究会を2020年3月24日に金沢で開催することを予定して実際にプログラムも作成していたが、新型コロナウィルス蔓延の影響のために中止を余儀なくされたためである。この点については2020年度以降に検討を進めることにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目標であった「社会的提言に向けた予備的考察」の部分が特に遅れている。この予備的考察のために研究会を開催して、メンバーと具体的に検討する予定であったが、その研究会が新型コロナウィルス蔓延の影響のために中止を余儀なくされたためである。
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今後の研究の推進方策 |
まず2019年度に進めることができなかった「社会的提言に向けた予備的考察」について、各メンバーが考察を進めながら、各種学会での発表や研究会の開催などを通して議論を深めていく予定である。 当初の予定では、2020年度に「社会的提言のとりまとめ」とその国際的検討を行う予定であったが、予備的考察が遅れているため、とりまとめに向けた問題を明確化を最優先課題としたい。国際的検討のあり方を含めて、新型コロナウィルス蔓延の状況がどのように推移するかを静観しながら、研究計画については柔軟に考えることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際ワークショップを共催の形で実施したため、海外研究者招聘のための予算を使う必要がなくなった。また、メンバーとの研究会が新型コロナウィルス蔓延のために中止されたため、それに関する予算にも変更が生じた。 次年度も新型コロナウィルス蔓延の影響が継続することが予想されるため、国際学会への参加に関わる予算など柔軟に対応することとしたい。
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