研究課題/領域番号 |
19K00051
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
藤田 尚志 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (80552207)
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研究分担者 |
宮野 真生子 福岡大学, 人文学部, 准教授 (40580163)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 人格性 / 主体性 / 現代フランス哲学 / 分人 / 愛 / 性 / 家族 |
研究成果の概要 |
絶えずさらなる流動化にさらされ、何とか安定性を求めようとする現代社会の主体性・人格性を考えるに際して、現代フランス哲学は「分人」概念によって寄与をなしうるのではないか。「分人」とは、それ以上分けて考えることのできない「個人」(individual)ではなく、同時多層的に働く(dividual)存在様態である。本研究では、この概念の源流を18世紀のフランス文学者レチフ、19世紀の思想家フーリエにまで遡り、20世紀の哲学者ベルクソンのうちに「響存」(echo-sistence)という形で見出されることを確認した。今後は時間意識や記憶の分析哲学との接合を深め、さらにこれらの概念を追求していきたい。
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自由記述の分野 |
哲学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人格・主体性概念は社会・政治分野にも教育分野にも大きな影響を及ぼす重大な概念である。一例を挙げれば、数年前に提唱されたDivicracy(分人的民主主義)は投票に「分人」概念を持ち込み、一人一票ではなく、数パーセントずつ分けて投票することを提唱している。将来的には、このような社会政策への提言(とりわけ愛・性・家族に関する提言)につなげられればと考えている。
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