研究課題/領域番号 |
19K00052
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三浦 秀一 東北大学, 文学研究科, 教授 (80190586)
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研究分担者 |
山田 俊 熊本県立大学, 文学部, 教授 (30240021)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 中国哲学 / 中国近世 / 諸子学 / 宋明時代 / 道家道教思想 / 仏教 |
研究実績の概要 |
近100年のあいだに中国で刊行された道家道教関連の学術論文を収録する『百年道学精華集成』第1輯~第10輯を購入し、その全体を網羅的に調査した。この調査によってはじめてその存在を知ることのできた論文も数多くあり、中国近世諸子学研究の進展に資する論考として、たとえば馮千山氏による2篇の論文「明代纂修《道蔵》従任自垣始」(『宗教学研究』総19、1991-3/4)・「邵以正生平、《道蔵》及其他」(同前総20、1992-1/2)を得た。両論考は、明朝正統年間に完成した所謂「正統道蔵」の編纂やその普及、および当時の指導的道士であった邵以正の閲歴について新たな知見を示しており、それらに基づくとともに、さらに調査をすすめることによって、本研究課題の従事者は、以下のような方面において研究を進展させることができた。「邵以正における『浄明忠孝全書』の重刊と『玄宗内典諸経註』の編纂との関係、および仏教側からの批判に応えつつ当時の知識人との共同を画策する邵以正の意図、さらにはその意図の時代性」。なお、この方面に関する研究は、明代中期の知識人による仏道二教への肯定・否定両面の認識を考察する上での前提的理解を提供するものでもある。 2019年度内に公刊した学術論文としては、たとえば以下のようなものがある。三浦秀一、「万暦の王学者鄒元標の前半生とその思想」、『集刊東洋学』122、pp.42-61。山田俊、「『元始天尊説生天得道經』と「佛道圖文碑」「霍習墓幢」―宋金元三朝道教の歴史性と地域性問題―」、『熊本県立大学大学院文学研究科論集』12、pp. 193-216。これら以外の論著および関連する学会発表については、それぞれの項目に記した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大にともない外出に制限が加えられ、2020年2月に予定していた文献調査や、3月に予定していた研究成果報告の会合が中止となった。
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今後の研究の推進方策 |
会合を開くには状況の改善を待つより他ないのだが、一方で、会合を開かずに実行可能な文献読解方面の作業を継続しておきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染防止のために予定していた会合を取り止めた結果、開催のための予算が残った。2020年度内にこの会合が開催できるならば、そのために充当したい。なお2020年度に使用予定の助成金は、書籍購入を主たる目的として使用する予定である。
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