研究課題/領域番号 |
19K00054
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宇佐美 文理 京都大学, 文学研究科, 教授 (70232808)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 中国絵画 / 中国絵画論 / 題画詩 |
研究実績の概要 |
研究目的遂行のため、東京と京都において、中国絵画作品の題跋の読解ならびに関連する漢文の読解の研究会を行うと同時に、個人研究としては杜甫の題画詩を中心に関連文献の読解を進めた。東京では、東京国立博物館蔵品の題跋の読解を進めた。東京大学東洋文化研究所の塚本麿充准教授、東京国立博物館の植松瑞希学芸員を中心に、東京大学の学生諸氏などをまじえて行った。さらに、題跋研究会翌日に、数度にわたって題跋会読作品を中心に蔵品の調査も行った。題跋研究会は以下の日程で行われた。2019年4月14日於東京大学東洋文化研究所、翁嵩年先生採蓴図軸竇次山、翁嵩年合筆①、5月26日於東京国立博物館、翁嵩年先生採蓴図軸 竇次山、翁嵩年合筆②、6月30日於東京国立博物館、翁嵩年先生採蓴図軸 竇次山、翁嵩年合筆③、江山臥遊図巻 程正揆筆①、7月21日於東京国立博物館、江山臥遊図巻 程正揆筆②、9月22日於東京国立博物館、江山臥遊図巻 程正揆筆③、10月20日於東京国立博物館、江山臥遊図巻 程正揆筆④、11月17日於東京国立博物館、江山臥遊図巻 程正揆筆⑤、12月16日於東京大学東洋文化研究所(漢文会読のみ)、2020年1月13日於東京国立博物館、杜陵詩意図軸 伝倪サン筆、2月11日於東京大学東洋文化研究所、花卉図巻 伝陳淳筆②。京都では、京都市立芸術大学の竹浪遠准教授を始め、関西各地の美術館博物館学芸員、京都大学を中心とする学生諸氏とともに研究会を行った。そこでは、泉屋博古館蔵品の題跋の読解を進めた。2019年5月12日、6月29日、8月4日、10月6日、12月22日、2020年2月23日(すべて会場は京都大学、八大山人『安晩帖』あるいは漢文会読のみ。)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ毎月のペースで行う予定であった東京での題跋研究会は、予定通り行われ、会読は順調に進んでいる。また、京都の題跋読書会は、諸般の事情により月一度のペースは守れなかったが、数年前からの(京都での)既読文献の公表(訳注の再検討)作業がスタートしており、その意味では順調に進んでいるものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの方針通り、東京、京都で、東京国立博物館蔵品の題跋会読、泉屋博古館蔵品の題跋会読を進めている。ただ、今般の新型コロナウィルス感染拡大により、研究会自体はZoomにより開催する予定だが、時間に余裕のあるときに研究会翌日に行っていた蔵品の実見による調査がしばらく行えないのは想定外であったが、植松学芸員に写真の提供をお願いするなどして、対応したいと思っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月に行う予定だった研究会が新型コロナウィルス感染拡大により忠詩になったことなどによる。
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