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2019 年度 実施状況報告書

東アジアにおける天文占知識の形成と伝播

研究課題

研究課題/領域番号 19K00063
研究機関大東文化大学

研究代表者

田中 良明  大東文化大学, 東洋研究所, 准教授 (90709354)

研究分担者 水口 幹記  藤女子大学, 文学部, 准教授 (40339643)
佐々木 聡  金沢学院大学, 文学部, 講師 (60704963)
高橋 あやの  関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (60734241)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード天文占 / 術数 / 災異説 / 気象占
研究実績の概要

東アジアにおける天文占知識の形成と伝播を研究する本課題において、平成31年度は、天文占知識の形成過程を対象に研究が進められ、その成果の一部を発表した。これは本課題の中心的テーマである「天文占知識の史的展開」という考え方について、メンバー内に共通の認識を共有するとともに、次年度以降に計画している天文占知識の社会的受容と海外伝播を中心とした研究のベースを明らかにしておくことも目的としている。個別的な実施内容は以下の通り。
1、研究会の開催:国内において、計三回の研究会を開催した。特に第二回には、漢代災異説に含まれる天文占知識や、気象占における雨占の特徴と展開について、第三回には、『漢書』五行志に見られる「占」の事例や、術数学と宇宙論の関係性などについての発表と意見交換が行われた。また、江戸期の天文占書(抄本)や天文図(複製)に関する資料紹介も行われた。
2、資料調査:国立公文書館が所蔵する漢籍・準漢籍に含まれる天文占関連資料に対する悉皆調査を共同で行った。また複数のメンバーによって、國學院大學図書館所蔵の土御門家記録への調査が行れた他、各メンバーにより、各地の資料館・図書館・文庫での調査が行われた。
3、天文占文献の解題作成:『史記』天官書・『開元占経』・『天文図象玩占』の解題草稿が作成され、解題の形式や記述内容についての検討が行われた。また、次年度以降に対象とする資料や執筆担当の予定が組まれた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に基づいて研究会・調査・解題作成が行われている。それによって、本課題のテーマついても、メンバー内に共通の認識を持つことができた。また、研究会・調査の成果の一部は、その後に論文として公刊されている。

今後の研究の推進方策

当初の計画では、次年度には天文占知識の社会的受容と海外伝播を中心とした研究と、解題作成の継続・海外調査を行う予定である。しかし、本年度末より起きた社会的諸問題によって、各メンバーが所属機関での対応に追われ、研究会や調査への移動も困難となることが予想される。インターネットの活用によって、研究会の実施は可能であるが、資料調査に制限が有る以上、一定の研究水準を満たすことに制約が課せられることも予見される。
そのため、計画の実施内容を解題作成などの一部に限定し、海外調査などについては、再来年度以降の研究計画の変更・延長も視野に入れた検討を行うことによって対応していくこととなる。

次年度使用額が生じた理由

年明けから起きた社会的諸問題により、国内での移動が制限され、資料調査や学会参加が中止されたため、旅費の使用予定が軽減した。次年度に状況が好転次第、国内外への調査などに使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 『家秘要録』『天変地妖記』の原本と成立について2020

    • 著者名/発表者名
      水口幹記
    • 雑誌名

      藤女子大学文学部紀要

      巻: 57 ページ: 117-133

  • [雑誌論文] 雨占研究序説2019

    • 著者名/発表者名
      髙橋あやの
    • 雑誌名

      東洋研究

      巻: 214 ページ: 1-25

  • [雑誌論文] 『漢書』五行志に於ける漢代日食記事2019

    • 著者名/発表者名
      田中良明
    • 雑誌名

      東洋研究

      巻: 214 ページ: 27-48

  • [学会発表] 関于《家秘要録》与《天変地妖記》2019

    • 著者名/発表者名
      水口幹記
    • 学会等名
      「従中古到近代:写本与跨文化研究」国際学術研討会
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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