研究課題/領域番号 |
19K00063
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
田中 良明 大東文化大学, 東洋研究所, 准教授 (90709354)
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研究分担者 |
水口 幹記 藤女子大学, 文学部, 教授 (40339643)
佐々木 聡 金沢学院大学, 文学部, 講師 (60704963)
高橋 あやの 関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (60734241)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 天文占 / 術数 / 災異説 / 気象占 / 占書 / 禁書政策 |
研究実績の概要 |
東アジアにおける天文占知識の形成と伝播を研究する本課題において、令和2年度は、天文占知識の社会受容・海外伝播について研究が進められる予定であった。しかし、昨年度末より起きた社会的諸問題の拡大と深刻化によって、年度初めより各メンバーが所属機関での対応に追われたため、当初予定していたエフォート率の遂行、個々の研究活動、研究会や調査への移動など、いずれも困難を来すことが予想された。本課題では、予定していた5月の研究会を中止し、メールによる協議を重ねながら7月まで状況の推移を確認した結果、本年度の計画遂行は不可能であると判断し、本課題の研究計画延長を視野に入れた上で、本年度はこの状況下における可能な限りのインプット(情報収集)に専念するよう計画を変更した。その結果、個別的な実施内容は以下の通りとなった。 1、研究会の開催:オンライン上に、計二回(9・3月)の研究会を開催した。特に第一回には、中国歴代王朝における天文五行占書の編纂と禁書政策についての発表と意見交換が行われた。 2、資料調査:本年度は中国(上海・杭州)への資料調査が計画されていたが、上記の事情によって断念することとなった。また、各メンバーの所属機関の意向によって他県への移動も困難となり、各自研究費によって購入可能な資料の収集・調査に専念した。 3,天文占文献の解題作成:上記の通り、本年度はインプットに専念することにしたが、第三回研究会において、『霊台秘苑』の解題草稿への検討が行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上記事情によって本年度の計画には3分の2以上の大幅な遅れが発生している。そうした中にも、参加メンバーの尽力によって計二回の研究会が開催できたことは幸甚と言わざるを得ず、成果の一部は公刊が予定されている。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り、本課題の研究計画延長を視野に入れた上で、本年度の計画は多少の修正を加えた上、次年度に延期される。ただし、社会的状況の改善がなされれば、計画の遂行も可能となるだろうが、本報告書を執筆している現在において、その可能性は極めて低く、海外調査などは断念せざるを得なくなることが予想されている。 そのため、状況の推移に左右されずに可能となる研究活動を模索しつつ、その条件下において最大限に本課題を遂行する方法を検討していく必要が有る。
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次年度使用額が生じた理由 |
社会的諸問題の発生とそれへの対応のため、各メンバーの研究可動及び本課題の遂行に著しい制限が加えられているため、当初予定していた研究活動が行えていない。特に研究会はオンラインで開催し、海外調査は次年度以降への延期を企図したため、計上していた旅費のすべてを未使用のまま残している。 これらは、次年度以降に当初の計画に準じて使用される予定である。ただし、社会的な状況の改善が遅れる場合、特に海外調査は断念せざるを得なくなるため、本課題の延長を視野に入れた上で適切な使用計画を検討する必要が有る。
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