研究課題/領域番号 |
19K00075
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山下 博司 東北大学, 国際文化研究科, 名誉教授 (20230427)
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研究分担者 |
保坂 俊司 中央大学, 国際情報学部, 教授 (80245274)
竹村 嘉晃 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 外来研究員 (80517045)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 異宗教間対話 / 文化多元主義 / グルドワーラー / アーツマネージメント / 宗教和諧 / インド系宗教 / 文化政策 / 芸能 |
研究実績の概要 |
今年度は研究計画第1年目として、2019年5月に国立民族学博物館(大阪)において、山下(研究代表者)、竹村(研究分担者)、岡光(研究協力者)、市岡(研究協力者)が出席して第1回研究会を開催した。今後の研究計画、役割分担、および成果発表の段取りについて意見交換したあと、初年度の具体的計画を策定した。そのあと、竹村の案内で国立民族学博物館の展示を回りながら、さまざまな意見交換をおこなった。 策定の計画に則り、竹村、市岡(研究協力者)、岡光(研究協力者)がシンガポールでそれぞれの担当課題に沿って現地調査を行った。山下も9月に調査活動を行っている。調査先のシンガポールにおいて2度にわたって、山下、竹村、岡光が一堂に会し、詳しい情報交換と知見の共有の機会を持った。山下・岡光は、9月の南アジア国際映画祭を共同で取材し、作品鑑賞に加え、映画祭関係者(コーディネータBombay Narayan氏、映画監督Bharathiraja氏など)にインタビュー調査をおこなった。さらに、異宗教間宥和のための民間組織であるInter Religious Organization本部を訪れて展示館内を参観するとともに、Kesavapani元館長(元外交官)と意見交換をおこない、職員の案内で市内のグルドワーラー(スィク教寺院)を訪れて、取材をおこなった。 竹村はシンガポールに長期に滞在し、国立シンガポール大学におけるワークショップで芸能関連の発表をおこない、有意義な質疑応答・意見交換の機会を得た。そのほか、バンコク、コロンボにおけるものも含め、計4回の国際学会で研究発表をおこなった。市岡は、シンガポール市内のムスリムの集住地(ゲランサーライ等)を訪れて集中調査に従い、成果について日本国際文化学会で発表をおこなっている。保坂は、関連のテーマで招待講演をおこなっている。 以上の成果は、メンバーが個々に研究誌等に寄稿するなどして公開に努めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2月から3月にかけ、代表者の山下が、シンガポールで調査活動をおこなう予定であったが、新型コロナウィルスの流行によってシンガポール滞在がかなわず、急遽日本に帰国することになった。予定していた調査は、2020年度以降に順延するかたちになっている。その分の進捗が遅れており、次年度以降リカバリーを図ることになる。
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今後の研究の推進方策 |
協力者の市岡が2020年度春の連休時にシンガポールにてムスリム社会の現地調査を予定していたが、コロナ問題で先が見通せないため、夏以降に延期になる見通しとなった。その他のメンバーについても、渡航の見通しが立たない状況にあり、いずれも調査は(仮に可能になっても)秋以降に延びる見通しである。研究会も、国内移動の自粛などから、当初予定の2020年春から、夏以降に延期せざるを得なくなっている。このような状況下、インターネットなどで班員相互に情報交換を欠かさないこととし、条件が叶えばインターネット会議のかたちで簡易的な研究会開催の方向も模索中である。2021年度が最終年度になるが、2020年度の後半にも事態の正常化がなされれば、正規の軌道に復したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
主たる理由は、研究代表者の山下博司が外国出張中の3月に、新型コロナウィルスの蔓延により調査予定地であるシンガポールが外国人の入国制限をおこなったことで、予算が使い切れない事態が生じたため、次年度に繰り越すこととなった。次年度には、実施が不十分に終わった海外調査をより充実した形で実施するために、それを充当する考えである。
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