研究課題/領域番号 |
19K00079
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 徹 (拓徹) 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 助教 (90795626)
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研究分担者 |
小倉 智史 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (40768438)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | カシミール / イスラーム / セキュラリズム |
研究実績の概要 |
交付申請書に記した通り、初年度の2019年度は本プロジェクトの研究協力者であるAbir Bazaz氏(インド・アショーカ大学)を日本へ招聘し、計画通り、彼の担当分野であるカシミール語(本研究のテーマである中世カシミール詩人聖者Sheikh Nooruddin/Nund Rishiのカシミール語詩)について"Reading the Shruks: The Negative Theology of Nund Rishi"のタイトルでご発表いただいた(この研究会は2019年11月30日、17:00~19:00、東京外国語大学本郷サテライト5階セミナー室にて開催した)。発表後には参加者一同との活発な質疑応答がなされた。 また、研究代表者、研究分担者ともに海外出張を予定通り実行し、本プロジェクトについての資料収集、研究者との打ち合わせ等の面で成果をあげることができた。 研究代表者(拓)と研究協力者(Bazaz)は、インド・デリーおよび東京の両方で議論を重ね、とくに本研究にとって重要なポイントである歴史的なカシミール文化研究と現在進行形のカシミール紛争の関係をどう考えるかについて意見を交換し、思考を深めることができた。周知の通り、カシミール(インド領)では2019年8月にジャンムー・カシミールが州から連邦直轄領に格下げされ自治権を奪われるという大事件があり、これに伴い約半年間にわたって事実上の戒厳令状態が続き、研究協力者とその家族も多大なる影響を被った。これに関連して、研究代表者の拓は現在進行形のカシミール紛争について、笹川平和財団で招待発表を行った。研究分担者の小倉は、担当分野である中世~近世カシミールについてのペルシア語、サンスクリット語文献を用いた論文・研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、2019年度は研究協力者を日本に招聘し、予定通りの研究発表をしていただくことができた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍発生のため、2020年度に予定していたシンポジウムの開催、および、そのための研究者招聘が難航しており、シンポジウムの開催自体は2021年度に繰り越すことを検討中である。2020年度中の行事としては、シンポジウム開催の代わりに、その準備的なオンライン研究会の開催(Zoom使用、研究協力者ほか海外研究者を含む)を計画中である。 コロナ禍がある程度収束し、日本人の海外渡航が可能になった暁には、研究代表者、研究分担者ともに海外出張を行い、本プロジェクトにかかわる資料収集、関係研究者たちとの打ち合わせ・議論を続行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画時よりも経済的に研究できたため、次年度使用額が生じた。次年度の旅費等として使用する計画である。
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