本研究プログラムでは、まず「死の民俗」の扱われ方の背景に関わる研究として、イギリスでのフィールドワークおよび文献調査を基礎にして、イギリスで成立した近代ホスピスの宗教的背景およびその現状について明らかにした。また、現代日本における「死の民俗」の歴史と実態に関しては、国際発表等を行って国内外での理解と議論を深めた。 次に、「死の民俗」のなかでも「死者臨在感覚」に焦点を当てて、これまで多様な領域に散在していた「死の民俗」への言及を包括的に整理し、考察を行った。またそこから、現代における看取りの場面に世俗主義的動向が顕著に見られることを明らかにし、次の研究の方向性を示した。
|