| 研究課題/領域番号 |
19K00086
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| 研究機関 | 國學院大學 |
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研究代表者 |
星野 靖二 國學院大學, 研究開発推進機構, 准教授 (50453551)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 「世界の諸宗教」像 / 宗教のイメージ / 比較宗教 / 近代日本宗教史 / 近代と宗教 / 仏教 / キリスト教 / 翻訳 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、近代日本における「世界の諸宗教」像の形成過程について、いつから、どのようなものが、どのようにして流通するようになったのかといったことを検討するものである。
2019(H31）年度の成果として、まず次年度以降により検討を深めていくための基礎作業となる資料調査・整理を進めた。キリスト教系の雑誌について、『七一雑報』の目次の電子化に着手し、また『ゆにてりあん』の一部の誌面を電子化した。特に後者は、比較宗教的な知のあり方を考える際に重要な雑誌であるので、今後同誌の内容について考察を加えて行く。仏教系の雑誌について、『現代仏教』の明治仏教の研究・回顧号、また『教学必要』の誌面を電子化した。『教学必要』は百科全書における宗教についての記述を受けたものであり、翻訳された知が、仏教徒に共有されていく過程を示すものと考えることができる。
内容の検討について、『六合雑誌』上の翻訳論説について原典の確定を含めて読み込みを深め、また通宗教・比較宗教的な姿勢が見られる雑誌『日本の教学』について、周辺情報の調査から進めている。
研究成果として、雑誌論文１本と論文集に論文を１本発表し、口頭発表を２回（うち英語発表１回）行った。明治前期において、中西牛郎は「仏教」をキリスト教に対抗しうる「宗教」として、両者を同じ「宗教」という範疇に組み込んた上で、仏教の弁証論を展開させていった。その先駆的な議論における論理や文脈などを検討した。また、姉崎正治の「日本宗教史」の構想において、逆に日本の宗教にまつわる歴史がどのように英語で提示されていたのかについて考察を加えた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「世界の諸宗教」像が組み上げられていく過程について、関連資料を収集、整理、電子化等していくことについては、初年度であるため基礎作業を中心に進めることを計画しており、その点については問題なく進められている。また内容の検討についても、成果を発表することができている。しかし、年度末に予定していた資料調査の出張や研究会の開催などがCOVID-19をめぐる今般の状況を受けて中止・延期を余儀なくされ、その点において若干の遅れが生じている。
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| 今後の研究の推進方策 |
COVID-19をめぐる状況が今後どのように推移するか不明な状況であり、資料調査のための出張、また臨時雇員による情報整理等について、どこまで遂行できるか不明な点がある。特に、発表を予定していた海外学会の開催が中止になったことを受けて、成果公開の方策を考え直す必要があることになった。
こうした状況に鑑み、計画通りに調査や情報整理を進めることを模索する一方で、例えばオンライン研究会の開催など、当初の計画とは別の形で研究を進めることについても、柔軟に検討していきたい
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度（2020年度）の8月にオタゴ（ニュージーランド）で開催されることになっていた International Association for the History of Religions の第22回大会に参加して研究発表することを予定しており、その旅費を確保するために調整していた。なお、2019年度末に同大会の開催がキャンセルになったため、海外への資料調査、あるいは資料電子化の委託作業などに計画を変更することを検討している。
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