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2021 年度 実施状況報告書

宣教師資料に見る「満洲国」:植民地状況下におけるキリスト教伝道

研究課題

研究課題/領域番号 19K00090
研究機関明治学院大学

研究代表者

渡辺 祐子  明治学院大学, 教養教育センター, 教授 (20440183)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード満洲国 / キリスト教 / 植民地支配 / 宣教師
研究実績の概要

収束の兆しが見えないコロナ禍によって、昨年度も資料調査の出張はできずに終わった。さらに所属組織の長を任命されたため、校務の比重が格段に重くなり、研究のための時間も削減されることになった。それでも昨年度は、6月19日に開催された日本ピューリタニズム学会研究大会において、「満洲国」時代に同国で伝道していた日本人宣教師とスコットランド・アイルランド宣教師、さらに現地中国人との関係について、宣教師資料を中心に発表し、その後同学会の紀要に研究発表に基づく論文を寄稿した。

申請者は研究期間中に、①1935年の中国人キリスト者一斉検挙事件、②「満州国」学制の完成とキリスト教学校法人化問題、③「満州国」における神社参拝問題、④「満州国」政府の意向を受けた日本人牧師の指導による満洲基督教会設立の4つのテーマに即して考察し、満洲キリスト教史の全体像を明らかにしようとしているが、昨年度は上記の学会発表に加えて、②キリスト教学校の法人化と④満洲基督教会設立を指導、監督した日本人牧師について、宣教師資料と満洲国で発行されていた『教化通信』を手掛かりに調査、研究した。後者の資料は、諸宗教を糾合し「満洲国」建設に貢献させることを目的に「満洲国」文化部教化司によって1942年から1945年まで月3回のペースで発行されていた新聞で、当時のキリスト教政策を知るうえでも非常に貴重な資料である。同資料を通して、日本人牧師だけでなく、それに協力した中国人牧師の具体的な発言や行動を明らかにすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上にも述べたように、コロナ禍のため海外出張がままならず、必要な資料の収集を行うことができなかった。加えて校務の大幅負担増が研究の遅滞につながった。

今後の研究の推進方策

申請時は昨年度で終了する予定であった研究期間を1年延長することができたので、研究のまとめの年として、サブテーマの考察を遂行し、近い将来の書籍化を視野に、可能なテーマから論文執筆に取り組みたい。校務の負担は変わらないが、業務の効率化をはかり、研究のエフォートを少しでも上げたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

最大の理由はコロナ禍で海外出張に大きな制限がかかる中、海外における資料調査を控えたこと、さらに校務の負担増により研究に割く時間が制約されたことである。そのため、本来2021年度で終了予定だった研究期間を1年延長した。
2022年度も海外での資料調査が行えるかどうか見通しはまだ立っていないため、助成金は旅費、滞在費よりも、資料の購入に充てる可能性が高い。夏休みまでにはどちらを選択するか決定し、計画的な執行に努めたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 「満洲国」のキリスト教伝道ー日本人伝道者の自己像を再検討する2022

    • 著者名/発表者名
      渡辺祐子
    • 雑誌名

      ピューリタニズム研究

      巻: 16 ページ: ー

  • [学会発表] 中華留日キリスト教青年会について Kautz Family Archivesを中心に2022

    • 著者名/発表者名
      渡辺祐子
    • 学会等名
      神奈川大学中国人留学生史研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 留日中国人学生伝道について YMCA Kauz Family Archivesを手掛かりに2022

    • 著者名/発表者名
      渡辺祐子
    • 学会等名
      アジアキリスト教交流史研究会
  • [学会発表] 彼らはどう見られていたか ──「満洲国」の日本人宣教師を例に──2021

    • 著者名/発表者名
      渡辺祐子
    • 学会等名
      日本ピューリタニズム学会
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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