| 研究課題/領域番号 |
19K00093
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| 研究機関 | 立命館大学 |
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研究代表者 |
ペ ギトク 立命館大学, 文学部, 授業担当講師 (60814382)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 植民地朝鮮 / キリスト教 / 朝鮮総督府のキリスト教政策 / 帝国日本 / 植民地朝鮮のキリスト教 / 植民地朝鮮の西欧宣教師 / 近代日韓キリスト教 / 帝国日本とキリスト教 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、植民地期における朝鮮総督府のキリスト教政策の全体像を明らかにするために、朝鮮総督府が作成した基礎的諸史料を網羅的に収集・データベース化し、分析を行うことである。そこで今年度は、朝鮮総督府のキリスト教関連史料の収集のために韓国でのフィールドワーク（8月下旬から9月の上旬までの10日間）を重点的に実施しつつ、その史料調査の中間報告として国際シンポジウムでの研究報告を行った。さらに関連研究者との情報共有や意見交換のために、研究代表者が主催する研究会を開催した。まず朝鮮総督府の史料調査に関しては、城南市と大田市所在の韓国国家記録院が所蔵している朝鮮総督府のキリスト教関連史料の中からオンライン上で公開していない史料の収集を現地で行った。これにより、韓国に残されている朝鮮総督府のキリスト教関連史料の所在の把握やデータベース化作業の基礎が整った。他方、研究代表者の主催で開催された研究会においては、日本や韓国の植民地期朝鮮と宗教関連の研究者を招聘し当該期における朝鮮総督府の宗教政策、帝国日本とキリスト教との関係に関する新しい視点の可能性が示された。（2019年10月26日企画研究会「帝国日本のキリスト教とその周辺」）
そのほか、今年度の中間報告として10月と11月に、それぞれ「朝鮮総督府のキリスト教政策に関する基礎的調査研究」「植民地期朝鮮キリスト教の自立論に関する一考察－1930年代を中心に」というタイトルで研究報告を行い（2019年10月19日韓国日本近代学会国際学術大会、2019年11月15日・16日韓国宗教学会秋季学術大会）朝鮮総督府のキリスト教政策に対する新しい視点やその可能性を確認したとともに、その成果を公表した（「植民地期朝鮮における朝鮮キリスト教会の自立論に関する一考察－1930年代を中心に」『共存の人間学』第２号）
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究は韓国に残されている朝鮮総督府のキリスト教関連史料（以下キリスト教史料）の所在の把握とその収集に目的があった。主に二つの方法でキリスト教史料の収集や分析のための基礎的分類作業を以下のように行った。まず一つ目として韓国国家記録院のデータベースを利用してオンライン上で公開している史料と非公開史料の区分を行った。その上で、非公開史料の場合は韓国の城南市、大田市の国家記録院をフィールドワークし史料のデータ収集や複写を行った。二つ目としては、国家記録院のデータベースやフィールドワークを通して収集した史料を公開史料と非公開史料の項目別に分けてリストアップした。これらのキリスト教関係史料はその膨大な量のため、リストアップ作業や収集に予想以上の時間がかかった。それにコロナ禍により冬季に予定していた韓国でのフィールドワークが実施できなかったため、史料収集が当初の予定より遅延しているが、来年度にも史料収集とデータベース化のための基礎作業を継続していく予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
令和２年においては今年度に引き続き韓国国家記録院でのフィールドワークを通して朝鮮総督府のキリスト教関連史料の収集とそのデータベース化のための基礎作業を丹念に行う。また基礎作業として今年度に収集したキリスト教史料のリストアップ作業を継続しつつ、「朝鮮総督府キリスト教関連行政文書史料」としてデータベース化作業の準備に取り込む。と同時に、時期別・事件別・人物別といった細目項目を設けて、収集した史料の性格、背景、史料間の相互関係などの史料分析も行っていく。さらに、日本の国会図書館や国立公文書館でのフィールドワークを通して、日本に残されている朝鮮総督府のキリスト教関連史料の発掘を試みるとともに、当該期における朝鮮総督府のキリスト教政策と帝国日本との関係性を浮き彫りにする史料収集にも乗り出す。これらの研究成果を日本と韓国の関連学会（日本宗教学会、朝鮮史研究会、日本思想史学会など）に研究報告し公表する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により今年度の冬季に予定されていた韓国でのフィールドワークができなかった。次年度には今年度にできなかった、韓国でのフィールドワークを3回に分けて行うとともに、日本におけるフィールドワークにも取り込む予定である。次年度は朝鮮総督府のキリスト教関連史料の収集を韓国と日本でのフィールドワークを中心に行う。
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