研究課題/領域番号 |
19K00099
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鹿子生 浩輝 東北大学, 法学研究科, 教授 (10336042)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マキァヴェッリ / ルネサンス / 共和主義 |
研究実績の概要 |
申請者の研究の長期的目標は、イタリア・ルネサンス期の政治思想を構造的に理解し、その特徴を浮き彫りにすることである。この見地から本研究では、マキァヴェッリとグィッチァルディーニという知的巨人の政治理論に焦点を合わせ、前者が開拓した新しい政治学的視座に対するグィッチァルディーニの知的対応を明確化することを目的としている。 1年目の末で発見したのは、フィレンツェ・プラトン主義がマキァヴェッリとグィッチァルディーニの政治思想に流れ込んでいるという事実である。当時の政治的文脈を調査してみると、修道士サヴォナローラの言動が両者に強い影響を与えているが、この修道士の政治的支持者たちの多くは、プラトン主義者であった。プラトン主義者たちは、プラトンの哲人王の理念をサヴォナローラやその他の立法者に見出しているのであり、これを脱キリスト教化したのがマキァヴェッリと言える。 こうした立法者論を検討した結果、マキァヴェッリのモンテスキューへの影響力をも明らかとなり、かつ、グィッチァルディーニとモンテスキューの共通性をも把握することが可能となった。マキァヴェッリが拡大する共和国という理念を打ち出したのに対し、グィッチァルディーニとモンテスキューはいずれも、そうした共和国の対外政策とは異なる方策を打ち出した。この方策は、二人のいずれもがマキァヴェッリの考察を強く意識したうえで提唱されたものであり、その手法は、マキァヴェッリの古代史解釈を変更することにもつながっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学内行政、特にコロナウィルス感染対策に追われており、かつ、予定していた海外渡航が実現できなかったため、想定したほどには研究は進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年間延長した。今後は役職から離れたため、研究を順調に推進できると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、コロナウィルスのために学内行政における対応が生じ、また海外渡航および国内での調査が困難となった点にある。今後の使用計画はコロナウィルス感染状況に応じて異なるが、可能であれば、旅費に多くの資金を充てる。
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