研究課題/領域番号 |
19K00105
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高田 珠樹 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 名誉教授 (80144541)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | スローターダイク / ハイデガー / 球体圏 / 人新世 |
研究成果の概要 |
申請者は、現代ドイツの哲学者スローターダイクの数多くの浩瀚な著作の読解を通じて、彼の思想の全容の解明とともに、スローターダイクとハイデガーの関係性を明らかにすることを試みてきた。研究助成を受けた期間、ちょうど新型コロナ肺炎の流行期と重なり、様々な制約があたものの、期間内に比較的短いながらスローターダイクの思想を概観する小文を2本、発表した。また彼の核心的な思想とも言える、『球体圏』については、その標題を冠した著作があまりに膨大であるため(約2500頁)、当面、翻訳紹介は困難なものの、その内容を凝縮した別の著作(約420頁)の翻訳が着実に進行中であり、来年度に解説を付して刊行を予定している。
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自由記述の分野 |
哲学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スローターダイクは、主著『球体圏』を始めとして、多くの国で翻訳が進み、世界的に極めて重要な思想家として認知されているが、日本では、初期の代表作を申請者が比較的早い段階で翻訳したものの、その後、紹介が進まず受容が滞っている。彼の著作は、人類史全体を人間が自己の環境の変容を通じて自己自身の創成する過程として捉える一方、近代全体を海洋を中心としてグローバル化として特徴づける独自の世界史の構図を呈示している。成果自体はこれまでのところ小論文2本にとどまっているが、来年度に予定する単行本の翻訳を含め、以後、精力的にスロタ―ダイクの思想の紹介を通じて、日本の哲学研究に寄与したい。
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