研究課題/領域番号 |
19K00112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
菱刈 晃夫 国士舘大学, 文学部, 教授 (50338290)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 悔い改め / 律法 / アグリコラ(ヨハン) / 律法の教育的用法 / カテキズム / 福音 / 巡察指導書 / 良心の覚醒 |
研究成果の概要 |
規律と愛、罰と赦しは、大きく「人類の教育」にとって永遠のテーマである。メランヒトンのカテキズムの分析を通じて、宗教および道徳の教育にとって重要な契機となる、律法(法)と福音(愛)、換言すれば規律と愛、罰と赦しの役割を明らかにした。 宗教改革期ドイツの時代的・社会的状況を十分に踏まえながら、とくにアグリコラとの比較によって、律法と福音がもつ意味や意義を、キリスト教思想史の中で浮き彫りにした。さらに『ザクセン領内教会巡察指導書』を中心とする資料、メランヒトンの個々のカテキズム、およびヴァリエーション等の分析を通して、その神学と倫理学との結節点にある教育の動態を明確化した。
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自由記述の分野 |
思想史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで日本では本格的に詳しく取り上げられてこなかったメランヒトンのカテキズムの分析を通じて、宗教および道徳の教育にとって重要な契機となる、律法(法)と福音(愛)、換言すれば規律と愛、罰と赦しの役割を、はじめて明らかにした。 教育によって人間の本質を変えることはできないが、外的な振る舞いやモラルは形成し得る。教育は人間による意図的な行為であり、そこで律法は有効である。しかし人間の本性たる「罪人」の救済には、福音が必要である。教育に「できないこと」と「できること」の境界に導くのがカテキズムであった。これは今日の社会でも、教育に明確な限界を設定し、その責任や主体についての人間学的再考を促す。
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