研究課題/領域番号 |
19K00122
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
川名 雄一郎 早稲田大学, 高等研究所, その他(招聘研究員) (20595920)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 古典的功利主義 / 哲学的急進派 |
研究実績の概要 |
本研究は古典的功利主義者(哲学的急進派)の知的営為をジェイムズ・ミルを中心とした思想的・人的ネットワークという枠組みの中でとらえ,様々な思想家によって担われた多様な諸理論からなる包括的な知の複合体としての古典的功利主義の多様性と統一性を明らかにすることを目的とするものである。今年度は,主に以下のトピックについて研究をおこなった。 1,ジェイムズ・ミルの手稿類について語彙の頻度分析などの手法を用いて検討した。とりわけ、古典古代哲学についての解釈や、それが彼の政治思想に与えている影響に関心をもって研究をおこなった。 2,ジェイムズ・ミルの多くの雑誌論考にはまだ著者認定について研究者の間で意見の一致がみられないものが残されている。人文情報学の手法も援用して,ジェイムズ・ミルの匿名論考の著者認定問題について検討した(昨年度からの継続)。 3、ジョージ・グロートの民主主義論をベンサムの民主主義論(特に世論法廷というアイデア)の観点から検討した。 これらの研究トピックのいずれについても,新型コロナウイルス感染症のために,他研究機関の訪問・利用が不可能になるなど,研究活動に著しい支障が生じたために,成果をしてまとめるには至っておらず、次年度も以降も引き続いて研究をおこなっていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大のために,研究に必要な他研究機関の訪問・利用がまったくできない状況となり,研究の遂行に大きな支障があったため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症による研究活動の制限がなくなることを期待するしかないが,今後も状況の好転が見込めない場合には軽微なものも含めた研究計画の変更も考慮する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症のために,他研究機関の訪問・利用が不可能となり,関連する旅費などの支出が不可能となったため。 未使用分については,次年度以降,他研究機関への訪問が可能な状況になりしだい,旅費・人件費として使用する計画としている。
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