研究課題/領域番号 |
19K00124
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研究機関 | 同朋大学 |
研究代表者 |
脊古 真哉 同朋大学, 仏教文化研究所, 客員所員 (20448707)
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研究分担者 |
曽根原 理 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (30222079)
黒田 龍二 神戸大学, 工学研究科, 名誉教授 (40183800)
藤井 由紀子 同朋大学, 仏教文化研究所, 所員 (40746806)
上島 享 京都大学, 文学研究科, 教授 (60285244)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 神仏交渉 / 鎮守神 / 伽藍神 / 神宮寺 / 本地堂 / 民俗宗教 |
研究実績の概要 |
2021年度は新型コロナウィルス感染症の流行により、2度にわたって緊急事態が宣言されるなどのことがあり、当初予定していた調査・研究が実施できないことがあった。特に各寺社等の行事は中止もしくは調査・見学謝絶となることが少なくなく、想定外の状況となった。 研究会については、6月と10月に同朋大学仏教文化研究所で2020年度の予定の打ち合わせを実施し、研究代表者・分担者だけでなく外部の研究者をも交えて代表者・分担者の報告を中心に幅広く活発な議論を行うことができた。 現地調査・史料調査も現今の状況下で、多くの予定変更を余儀なくされたが、6月に岐阜県各務原市の手力雄神社の史料調査、7月に京都府南丹市の多治神社の史料調査、亀岡市の松尾神社の御田(田遊び)の調査(両神社および南丹市日吉郷土資料館)、8月には3日間にわたって地元の研究者のご案内を得て岡山県美作地域(津山市・真庭市・苫田郡鏡野町)の寺院・神社・仏堂等の踏査を、10月には岐阜県郡上市の明建神社の史料調査(於古今伝授の里フィールドミュージアム)を、1月には静岡県周智郡森町の小国神社と袋井市の法多山尊永寺という大規模な宗教施設の田遊びの調査を実施することができた。 これらの調査で得ることのできた採集資料・知見・データを研究代表者・分担者の間で共有し、調査先で入手・複写することのできた文献類も含めて、今後の研究を推進していくための体制を構築することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の流行により、予定していた現地調査・史料調査がかならずしも順調に実施できず、2021年度へ持越しとなったものが少なからずあった。研究会の開催も、代表者・分担者の居住地域が「緊急事態」の対象となったこともあり、年間3回の開催を予定していたが、2020年度は2回の実施に止まった。また、当初、計画していた中国への海外調査は、現今の状況から断念することした。 ただ、このような状況下でも、2019年度・20年度の研究会と調査の成果を踏まえて、脊古真哉「ガラン神考―三河・信濃・遠江国境地域から見た神仏交渉史の一断面―」、上島享「中世の神と仏―<神仏習合>再考―」(ともに吉田一彦編『神仏融合の東アジア史』名古屋大学出版会 2021年2月)脊古真哉「田遊びと修正会が出合う場(下)」(『同朋大学佛教文化研究所紀要』40 2021年3月)、黒田龍二「建築と祭儀から見た賀茂社本殿の意義」(橋本政宣編『賀茂信仰の歴史と文化』思文閣出版 2020年5月)をはじめ、代表者・分担者各自が関連する論考を発表できたことは、今後の研究に弾みをつけるものになると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度も年間3回の研究会の開催、精力的な史料調査・現地調査を予定しているが、現時点(5月末)で愛知県をはじめ、代表者・分担者の居住地、所属機関の所在地が「緊急事態」の対象となっており、今後の見通しは予断を許さないものとなっている。場合によってはオンラインでの研究会の開催も考慮しており、史料調査・現地調査に関しては、今後の状況と受け入れ先の意向を踏まえて判断してゆくこととなる。 このような中でも可能な調査・研究活動を模索しており、2021年度後半には、従来通りの精力的な調査・研究活動を再開したいと思っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の流行により、2度にわたり「緊急事態」が宣言される状況下で、予定していた現地調査・史料調査が実施できないことがあり、一部を次年度に持ち越すこととなった。
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