研究課題/領域番号 |
19K00124
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研究機関 | 同朋大学 |
研究代表者 |
脊古 真哉 同朋大学, 仏教文化研究所, 客員所員 (20448707)
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研究分担者 |
曽根原 理 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (30222079)
黒田 龍二 神戸大学, 工学研究科, 名誉教授 (40183800)
藤井 由紀子 同朋大学, 仏教文化研究所, 所員 (40746806)
上島 享 京都大学, 文学研究科, 教授 (60285244)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 神仏交渉 / 鎮守神 / 伽藍神 / 神宮寺 / 本地堂 / 民俗宗教 |
研究実績の概要 |
2022年度も昨2021年度に続いて新型コロナウイルス感染症の影響で、予定していた調査・研究が実施できないことがあった。21年度・22年度の2年続けて中止となった寺社等の行事も少なくなく、研究計画を立てた当初の予定からはまったくの想定外の事態となった。研究の遅延・遷延はいたしかたないものとなってしまった。 研究会についても、研究代表者の脊古真哉が所属する同朋大学仏教文化研究所でも施設の使用制限がかけられ、各研究分担者の所属機関でも出張の自粛が求められた期間があり、対面での研究会が中々開催できない状況が続いた。こうした中、2022年1月29日(土)に愛知学院大学楠元学舎を会場に、代表者の脊古、分担者の上島享も分担執筆者となっている吉田一彦編『神仏融合の東アジア史』の書評会を鈴木正崇氏・林淳氏・藤本誠氏を評者に迎え、対面とオンラインを併用して宗教史研究会などとの共催というかたちで実施し、多くの研究者の参加を得て、突っ込んだ議論をすることができた。 実地調査・史料調査については、南宮大社(岐阜県不破郡垂井町)の御田植神事、賀茂神社(富山県射水市)の御田植祭、松尾大社(京都市西京区)の御田祭、財賀寺(愛知県豊川市)の田遊祭、滝山寺(愛知県岡崎市)の鬼祭などを、関係者の理解と協力を得て、見学謝絶などのかたちで実施されたものを特別に調査することができた。 2019年度・20年度に引き続き、調査で得ることのできた採集資料・知見・データを研究代表者・分担者の間で共有し、調査先で入手。複写することのできた文献類も含めて、今後の研究を推進してゆくための体制を構築することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行により、予定していた現地調査・史料調査が順調に実施できず、研究会についても当初の予定のようには開催できなかった。2020年度から持ち越しとなった現地調査・史料調査に関しても、2年続けての行事の中止、史料所蔵者などの受け入れ側の判断によって延期・断念を余儀なくされることが少なくなかった。 そのような中でも非公開・見学謝絶として実施された行事を、関係者の理解・協力によって特別に調査する機会を得るなどして、ある程度の実地調査・史料調査を実施することができた。また、このような状況を鑑みて、大規模災害や現今のような疫病の流行などが引き起こす事態について、行事の存続・継承・廃絶に関して、これまで以上に自分たちの問題として考えるようになり、そのような視座からの論考を代表者の脊古と分担者の藤井由紀子の共著で「行事・儀礼・芸能の変容と継承―共同研究「寺院・仏堂を守護する神の展開・変容についての総合的研究」の成果から―」(『同朋大学仏教文化研究所紀要』41 2022年)として発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
上述のような状況を踏まえ、研究期間の1年間の延長を申請し、認められた。新型コロナウイルス感染症の流行については、なお予断を許さないが、少しずつ日常を取り戻しつつある中で、2020年度・2021年度に持ち越しとなってしまった調査をなるべく実現し、当初からの研究目的を達成できるように体制を立て直してむゆきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行により、2021年度に予定していた調査の実施、研究会の開催等が順調に遂行できなかった。そして、このような状況を鑑みて当初の予定より研究期間を1年間延長することとなり、2022年度を研究の最終年度とし、所期の研究目的を達成できるように努めることとしたため。
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