本研究の目的は、さまざまな芸術作品に焦点を当てながら、近年のテクノロジーの進展により大きく変化している生命と人間、生命と物質、生命と情報を再考し、生命あるいは死という概念がどのような変化しているのかを探求するものである。2022年度はコロナウィルス感染の拡大により、当初計画していた海外の美術館での調査、インタビューが予定通りに進まず、1年延期することになった。しかしながらその間に新たな文献、資料を読みこみ、またオンラインでのシンポジウムを通し国内外の研究会に参加し、研究成果の発表を行うことで知見を深めることができた。とりわけロシアとウクライナの戦争をめぐり、メディアとテクノロジー、生と死をめぐる芸術制作、アクティヴィズムについてインタビューをふくめ多くの知見をることができた。今年度は、共著(2冊)、論文(6本)、国際学会発表・シンポジウム・講演(14回)をはじめ、これまでの研究成果を比較的まとまったかたちで発表することができた。本研究期間全体の成果は現在、単著としてまとめている。
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