研究課題/領域番号 |
19K00135
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
中原 ゆかり 愛媛大学, 法文学部, 教授 (00284381)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 太鼓音楽 / 組太鼓 / 創作太鼓 / 伝統 / 創造 / 世界音楽 |
研究実績の概要 |
太鼓音楽の誕生から60年がたった現在、それぞれの太鼓グループは、地域においては「地域の民俗芸能」としての地位を獲得し、なおかつ国内外のヨコの繋がりを構築して、祭りやイベント等で集結して交流を深めてきた。 2019年度には、次の3点について調査、研究をすすめた。(1)黎明期の太鼓グループについて、これまでおこなってきた新聞記事や文献、手記等といった文字資料の収集や映像音響資料の収集を引き続きすすめると同時に、それらの資料を時系列に従って整理していった。そして特に大きな出来事については、打ち手たちや関係者たちにインタビューを行い、それぞれの出来事をできるだけ詳しく記述するように努めた。(2)いくつかのアマチュア太鼓グループへのインタビューと練習についての参与観察をすすめていった。2019年度から特に新しく調査をはじめたのは、1970年代後半からはじまった障害者の療育としての太鼓についてであり、今後はより詳しい調査をおこなう予定である(3)太鼓の制作、修理について調査をおこなった。いわゆる老舗太鼓店とは別に、太鼓打ちたちが独自の工房をもつようになった他、地域の太鼓グループでは神楽太鼓などを作ってきた人たちから技術を受け継ぎ、組太鼓に適合した作り方を工夫している例もみられた。 太鼓音楽といえば「伝統の創造」がキーワードであるが、その要素は曲づくりのみならず、楽器の修理制作やメンバー構成など、様々なところにみられる点が明らかになりつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者がこれまでに収集した資料にもとづき、整理と分析をおこなった。また資料にもとづき、調査の幅を広げることができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまで蓄積した資料にもとづき、着実に調査と分析をすすめていきたい。また障害者の療育としての太鼓、アマチュアによる太鼓の修理や制作についての調査を引き続きすすめ、確実な資料を残していきたい。
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